痛み止めの種類と違い、副作用について、医師が解説


山田:そこは非常に重要なところで、よく使う薬としては大きく分けて2種類あると思っていただきたいです。

一つがアセトアミノフェン。市販薬ではタイレノール、処方される際にはカロナールという名前がついていますが、全部同じ薬のことなんです。
もう一つが、ロキソニンとその「兄弟」。このロキソニンとイブプロフェン、ボルタレンは全て同じような薬だと思ってください。会社が違うので違う名前ですが、薬の働き方としては一緒です。

この2種類は使える幅や使える人が少し異なるので、そこだけ覚えていただきたいですね。
基本的にはアセトアミノフェン・タイレノール・カロナールが、1〜2週間など連用して飲まなくてはいけない際も比較的安全に使いやすい薬たちです。
一方で、ロキソニン、イブプロフェン、ボルタレンは、連用するのは少し注意が必要です。というのも、これらの薬は連用すると場合によっては腎臓にダメージを受けたり、胃腸に潰瘍を作って出血を起こしてしまうなど、比較的重い副作用が知られているのです。

そう聞くと怖い薬なのかと思われてしまうので誤解を解いておきましょう。例えば週に何回か頭が痛くなって時々飲むというだけではそうした問題が起こることはありません。けれど連用すると重い副作用が起こり得る薬ということです。
もう一つ。生理痛・偏頭痛などは比較的若い女性に多い病気かなと思うのですが、例えば妊活をされている・妊娠の可能性がある方もいますよね。そういった時はロキソニンやイブプロフェンのような薬は避けた方が良いですね。一方でアセトアミノフェンは妊娠中でも使えますので、妊娠中の頭痛・節々の痛みにもご利用いただけます。

アセトアミノフェンを使えない患者さんはあまりいませんが、ロキソニン・イブプロフェン・ボルタレンというような薬は、腎臓が悪い方や胃潰瘍をお持ちの方、妊娠中の方は使えません。この2種類の薬には、こうした使い分けがあるのです。

 

新里:よくわかりました! 今までは即効性があるからとロキソニン一択で飲んでいましたが、アセトアミノフェンも試してみたいと思います。

山田:実はアセトアミノフェンには、もう一つトリックがあるのです。