美容のための費用を稼ぐことが働くモチベーションに


──あの頃と比べると、好きなものを素直に言える社会になりましたよね。本書では美容法についても包み隠さずお話しされていますね。

美容医療のことですね。シミを取るなら高い化粧品を使い続けるより、医療処置で取ってもらうほうが効率的と言われたのが始めるきっかけでした。実際に受けてみると、長年気になっていたシミが1回の処置で取れたので、びっくりしてしまって。それからは、年に2~3回の頻度で美容医療のクリニックに通って、シミやシワを取っています。もちろん、化粧品にこだわるという選択肢もあるとは思いますが、私には美容医療のほうが合っていたみたいですね。

──もともと美容に対する意識は高かったのですか?

まったくそんなことはありません。スキンケアもワセリンや馬油だけで済ませてしまうタイプで(笑)、決して意識は高くないんです。美容に関しては、鏡を見たときに、自分の心身の状態が良いと思える程度であればいいと思っています。コロナ禍で人と会わなくなってからは、ますますその傾向が強くなりましたね。私はフリーランスで定年がないので、60歳を超えても働き続けているわけですが、美容医療の費用を稼ぐことが一つのモチベーションになっています。

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睡眠を削ってまで頑張ろうとしてはいけない


──健康に関して、特に気をつけていることはありますか?

とにかく睡眠を大事にしています。あるお医者さんが、「健康維持のために『睡眠』『運動』『身体に良い食事』のどれか一つしか選べないとしたら、私は迷わず『睡眠』を取ります。『睡眠』はなによりの薬です」とおっしゃっていたのが印象的で。そこから、睡眠を削ってまで頑張ろうとしてはいけないと思うようになりました。理想は8時間ですね。

 


──お忙しくされているのに、8時間の睡眠時間を捻出するのは難しいのでは?

その8時間を確保するために、起きているときは効率的にテキパキ動くようにしています。私の日常は、睡眠以外だと「仕事」「家事」「スポーツジム」が主な構成要素なのですが、それぞれの時間配分をしっかり決めるようにしています。たとえば料理をするとき、主菜の魚を焼く時間が9分だとすると、その間に副菜を作り終えるようにしていますね。仕事に関しては1ヵ月単位でスケジュールを配分しているので、「今日は何をしよう」と考えることに時間を費やすこともありません。そうやって事前にスケジュールを埋めてバタバタ動いているので、寝つきもすごくいいです(笑)。

──「寝る時間がないほど忙しい」などと自慢げに語る人に聞かせてあげたいです。

私も本来は日本人的な性格なので、自慢したい気持ちもわからなくはないです(笑)。正直に言うと、8時間寝ることに対して罪悪感はありました。でも、先ほど話したような集中度で仕事や家事をこなしていれば、8時間寝てもつり合いが取れるのではないか、という発想に変えました。私の場合はフリーランスで通勤がないですし、子育てもしていないので、他人と比べて楽をしているのではないかという負い目があったんですが、それも忘れることにしました。