薬の服用と飲み物。意外な相互作用について、医師が解説


山田:正解は、グレープフルーツジュースです。

碓氷(うすい):え! 意外ですね!

山田:そうですよね。実はグレープフルーツは、薬と相互作用を起こす可能性があることで知られています。グレープフルーツに含まれている成分が、薬を分解する酵素の働きを抑えてしまうことがあるのです。その結果、薬の濃度を高めてしまったり、あるいは逆に下げてしまったりします。さらに、グレープフルーツと相互作用を起こし得る薬というのは、心臓の薬、コレステロールや血圧を下げる薬など、幅広いのです。

新里:なるほど。私はあまりグレープフルーツジュースが好きではないので、薬と一緒に飲んだことはありませんでした。

碓氷:僕は、グレープフルーツジュースで薬を飲んだことがありますね。特に何もありませんでしたが、危なかったですね。

山田:そうですね。ですが、決して柑橘類全般に注意が必要なわけではありません。レモンや普通のみかんであれば、問題はないです。一方で、グレープフルーツと同じ成分が入っているマーマレード、夏みかん、八朔などは注意が必要ですね。

 

新里:そういえば、炭酸水にレモンを入れたもので、薬を飲んでいました。

山田:炭酸水もレモンも問題ありませんので、大丈夫ですよ。

碓氷:柑橘類は判断が難しいですね。

山田:そうですね。そして、もう一つ気をつけていただきたいのはカフェインです。カフェインの含まれている飲み物といえば、身近なものではコーヒ、紅茶、お茶ですよね。カフェインと相性の悪い薬もありますので、注意が必要です。
また、カフェインが薬に影響を及ぼす場合と、薬がカフェインの分解を抑えて、体内のカフェイン濃度が上がり、カフェイン中毒のような症状が出る場合があります。もちろん少量で飲む分には影響は少ないと思いますが、なるべく避けた方がよい飲み物です。
また、薬にもよりますので、事前に調べていただくことが大事です。ですが、面倒だという場合には、避けていただくのがよいかもしれませんね。

碓氷:薬とお茶は、普通に一緒に飲んでしまいそうですね。

新里:私も、外出先で買ったペットボトルのお茶と、薬を一緒に飲むことがあります。

山田:お茶と言っても、麦茶など、カフェインの入っていないお茶もありますよね。ですので、カフェインに少し注意が必要なことを覚えていただければよいのではないでしょうか。ただ、繰り返しになりますが、小量でしたらあまり影響はないと思います。

碓氷:ちなみに、アルコールはもちろんダメですよね?