薬をお酒と一緒に飲んでも大丈夫?


山田:そうですね。アルコールで薬を飲む方は、いらっしゃらないと思います。ですが、毎日アルコールを飲む方は、薬と同時に飲んでいなくても、薬による副作用のリスクを高める恐れがあると言われています。
例えば、この番組でよく出てくる「アセトアミノフェン」という薬は、まれに肝臓に障害を起こす副作用が知られています。
そして、お酒をよく飲まれる方では、その副作用のリスクが高くなるのです。「アセトアミノフェン」だけでなく他の薬も、お酒をよく飲まれる方では、肝臓の障害を起こすリスクが高くなると言われています。

新里:なるほど。同時に飲んでいなくても、注意が必要なのですね。

 

碓氷:では、牛乳はどうですか?

山田:いい質問ですね。牛乳は、基本的には問題がないことが多いです。ですが、薬によっては、牛乳が薬の吸収を抑えてしまうこともあります。
たとえば、鉄のサプリメントは、牛乳と一緒に飲むと吸収が悪くなることが知られています。貧血をよくしたいのに、鉄がなかなか効いてくれない場合、実は牛乳で飲んでいたから、ということもありえるのです。また、紅茶も鉄分の吸収を悪くする可能性がある、といわれています。一方で、レモン水などは、鉄の吸収をよくするかもしれない、といわれているのです。
このように、鉄剤一つとっても、吸収をよくする飲み物も、悪くする飲み物もあるのです。奥が深いですよね。ですので、何も気にしたくない場合は、やはり水が一番安心なのではないでしょうか?

碓氷:もう、全然覚えられませんね(笑)。

山田:そうですね(笑)。ですので、グレープフルーツジュース、カフェイン、そして最後にお酒に注意する、と覚えていただければよいかと思います。

新里:アイスカフェラテや緑茶が好きなので、カフェインに注意して薬を服用したいと思います。

碓氷:薬と飲み物、意外と奥が深いですね。本日もありがとうございました!

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写真/shutterstock
構成/新里百合子
 

 


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