しんどい人のほうに合わせて会話する


男性がセクハラ発言をする原因から、それを回避する方法へと話題が移行します。大吉さんは、男性は生理のつらさやしんどさを真に理解することができないという事実を前提に、ある提案をしました。

 

高尾 生理がつらくていろんなことをあきらめてきた女性はたくさんいますけど、それが見えていない。女性が見せないようにしてきたのもあると思います。

大吉 学生時代に水泳の授業に出られなかったとか、温泉旅行をキャンセルしたとか、そのレベルにとどまらないわけですよね。

高尾 そうですね、人生にかかわるケースもありますよ。仕事の選択の幅が狭まったとか、大事な試験の日に生理がきてしまって実力を発揮できなかったとか。根性や気合いではどうにもならないほどつらい人もいますからね。

 

大吉 やりたいことをあきらめないといけないほど、しんどいってことですね。そのつらさについて想像力を働かせる努力はしますが、男性が同じしんどさを体験することはできないし、それでわかったような気になるのも違うと思っています。となると、「女性は生理があるから、しんどいんだ」というのをベースに考えるのはどうでしょう? 月に10日間しか元気な日がない人もいれば、あまり体調に変化がないという人もいますけど、しんどい人のほうに合わせるんです。

高尾 なるほど、「この人は元気に見えるけど、ほんとはしんどいのかもしれない」という前提だと、接し方も変わりそうですね。ひとりの女性のなかでも、調子の悪いほうの日をベースに考えるといいかもしれません。
さらに、カップル間で体調を確認し合う会話をするのはどうでしょう。「今日はどれくらい?」「なんとなくダルいんだ」とか「今日はすっきりして身体が軽い!」とか。朝の日課としてコミュニケーションを取り合うんです。男性も、自分の体調を言葉で伝える。

大吉 疲れが抜けないとか、お腹がしっくりこないとか、ありますからね。

高尾 どっちがしんどいかを比べるものではなく、お互いの「今日こんな感じ」を知っておくのがいいんだと思います。パートナーや家族だけでなく、職場でやってもいいんです。「生理で調子悪いんです」とまで言わなくてもいいと思います。「10のうち6ぐらいです」と数値化すると言いやすいし、伝わりやすいかな。