残り香で「誰がいたか」がわかる


ちなみに嗅覚過敏の筆者は、テレビで“香りが持続する柔軟剤”のCMを見るたびゾッとします。「いや、持続させたらあかんあかん! それ使えるの家から一歩たりとも出ない日だけやから!」(心の声)って感じですよ、もう。街で、特に職場で香水をつけていたり、強い香りの柔軟剤を使っている人とすれ違うだけで、気持ちが悪くなってしまう人もいるのです。

柔軟剤や香水などのにおいが強い人は休憩室やトイレでもにおいがしばらく残るので、においだけで誰がいたのかすぐにわかる、「におい探偵」と化しています。

 

特に、生理の日や頭痛がする日なんかに香水がきつい人とすれ違うと、卒倒するんじゃないかというくらいのダメージを食らいます。

また、食品の強いにおいにも弱く、食べた後、手や服についた残り香でも気持ち悪くなって、何度も石鹸で手を洗います。職場で強いにおいがするご飯を食べている人がいると、たまに「ウッ」となってしまうことも。

 

においに関しては、“香害は公害”という言葉が定期的にトレンド入りするように、悩む人は少なくないと思います。妊婦さんだと「においづわり」に悩まされる人もいますし、化学物質過敏症の方もいますから、特に職場においては、フレグランス類は控えてほしい、と切実に思います。

まとめサイトで、「オフィスでも浮かない香水〇〇選」なんて記事があってぎょっとしましたが、職場でつけて“浮かない”香水なんて存在しませんから! 嗅覚過敏からすると、逃げられない環境で強いにおいを嗅ぎ続けることはもはや拷問レベルなので……。

そして、たとえ嗅覚過敏の人でなくても、香りって好き嫌いが人によってかなり分かれるので、自分が好きでも、他人は耐え難いものかもしれません。においを感じざるを得ない状況にしてしまうのは、スメルハラスメントになりかねかません。

ルームフレグランスや強い香りの置き型消臭剤が設置してある職場もありますが、そこで働く人や来客にとって攻撃力の高い“危険物”になる可能性もあるのではないでしょうか。