好きで「完全武装」してるわけじゃないのです

 

ここまで、感覚過敏の悩みを綴ってきましたが、日常での困難はもちろん、つらいのは周囲の目。

サングラスをしていると、「なにイキってんの? 留学帰りかよ」なぁんて言われたりすることも。日本ではサングラスを日常使いする文化は薄いですから、目立ってしまうんですよね。

 

事情を説明しても、「いや、なんかおしゃれなデザインだからわかんないよ。もっとこう、機能的な感じのだったら事情あるのかなって思うけど」なんて言われ、「いや、事情があるとにおわせるデザインってなんやねんっ!」「ってかこっちは日常のファッションに馴染ませたいんですけどぉっ!」って感じなんですけど。まじで。

コロナ禍でマスクが必須になり、マスク×サングラスという、不審者みたいな恰好をせざるを得ず、夏場はさらに日傘や帽子までして完全防備。会社の前で同僚と会うと、「こわいって!」と絶対イジられます。

筆者はわりといじられても笑いで返して平気なタイプですが、社会には感覚過敏はもちろん、ご病気や様々な理由で、日光を避けないといけない人もいますから、からかうのはやっぱりよくないし、時に人を傷つけてしまうこともあると思います。

今回取り上げたこと以外にも、感覚過敏にとっては、日常生活はトラップであふれ、刺激を受けるとあっという間に体調を崩してしまいます。まずは、そういう人もいるのだという認知が広がって欲しいと願わずにはいられません。


イラスト/Shutterstock
文/ヒオカ
構成/金澤英恵

 

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