――「自分自身がどうありたいか」「何に幸せを感じるか」が大切ですね。

「自分業」でお金よりも時間よりも大事なのは、「裁量権があるか」だと思います。自分のコントロール権ですね。
いくら高給で、人に「いいね」と言われる仕事でも、朝から晩まで会社に拘束されて土日も出勤する仕事で幸福度が高いかと考えると、自分で起業しているのでもない限りそこまででもないと思うんです。
「自分の裁量権をどう持てるか」は幸福度に結びつく。それはお金の大きさではないなと思います。

 

――「自分業」の始まりはプロボノなどのボランティアでもいいのでしょうか?「自分業」の始め方がわからない、続けること育てることが難しいと感じる人も多そうです。

短期的な意味で「今これが成立するか」よりも、「種まきをどうするか」ですね。
すぐに金銭的なものや目に見える何かに直結しないことも沢山ありますが、種のようなものが時間をかけて福利の効果で少しずつ、雪だるまのように大きくなっていく。最終的に10年やった人が他にいないからそれが仕事になる、つながりができて自分の次の仕事を持ってくることは十分あると思います。

私もヨガを始めた頃はずっと生徒として習っていくんだと思っていました。でも「面白い」の繰り返しでいろんな資格を取ったり人に教えていく中で、今では私の仕事の1つになりました。

小さな種だったものが10年15年と時間をかけて転がっていくことで、それが対価を頂く機会になることもあるんですよね。
ただ私、ヨガはたまたまそれがうまく行きましたが、他にやめていることも沢山あります。
種のような何かは、みなさん個人がきっと持っているんですよね。そこに自覚的になることが壁を越える1つのポイントなんじゃないかなと思います。