――「50歳の壁」についてご自身が想像したり準備していることはありますか?

私が長年続けているヨガは20代から80代位まで様々な年代の方がやっていらっしゃるんです。
“ちょっと先行く先輩方“の立ち振る舞いや感じていることについてお話を聞く機会があるので、そこから自分の50歳をイメージして「これはやっておきたいな」と想像したりはしています。

 

ヨガは毎回同じポーズをやるので、年を重ねる内に筋量の低下や柔軟性が損なわれて「若い頃できたのにできなくなっていくポーズ」があるんです。「若い頃はできたんだから今でもちょっと頑張れば」とやりすぎると時には骨折してしまう人も。
「年を取ったからだめ」ではなくサインの1つと捉えれば、前もってアプローチできることが色々あるんですよね。「次はきっとこういう動きが難しくなるから、できるだけ現状の動きができる期間を長くしよう」「今できるポーズができなくなる時までに、コツコツと少しストレッチを丁寧にやろう」というふうに。

また女性は産後に体の使い方の変化や筋量の低下がありますが、30代位だと女性ホルモンの力もあって回復してきます。でも閉経を迎える50歳前後、筋量が落ちたとか体調がよくないといった悩みがまた出てくる。
その時に「揺れることはあるけれど自分の平常点がどのあたりなのか」を知っておきたいなと。わかっていれば少しずつ準備ができますよね。時間をかけて少しずつ「風邪をひきにくい体をつくる」とか「体調が悪い時はすぐ休めるように自分で気づくポイント決める」とか、そういう準備をしていくことが大事だなと思います。

ここまで体の話でしたが、それはメンタルにも響くと思うんです。
忙しい女性達って、体調が悪い時も「ちょっと頑張ればどうにかなる」と自分の気力でどうにか乗り切ることに慣れている人が多い。でもそれがどうにもいかなくなるときが、人間って必ず来るんですよね。
なので、早め早めにこの「頑張りすぎている」ところに気付けるようにしています。自分が今「どのくらい寝ていないと頑張りすぎなのか」「どのくらい食べていないと体調がどんなふうにいつ悪くなるのか」「食べすぎるとどうなるのか」を情報収集している感じです。

「50歳の壁」の前では、しなやかに「揺れるけれども少しずつ自分のいい平常点を探しに行く」ことが大事だなと思います。

<書籍紹介>
『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』

尾石晴・著
1650円
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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取材・文/勝俣智美