日本人が気に留めない「更年期以降のセックスレス」。そこにGSMのサインがある


GSMの主な症状は、フェムゾーンの不快感・尿漏れ・性交痛。

そもそもGSMが国際的な学会で議題に上がったのは、欧米の女性たちがセックスの際の痛みや不快感に声を上げたからでした。しかし、日本では性交痛に悩んで来院する更年期以降の女性はまだまだ少ないと関口先生は言います。

 


「欧米でセックスレスは離婚に直結する大問題ですが、日本では50代以降になって、セックスのトラブルが起こるとセックスをやめてしまうカップルがまだ多数派です。セックスをする・しないはどちらでもいいのですが、セックスをしないからといって、フェムゾーンを使わない場所として放置してしまうことは問題があります。なぜなら人間の身体は使われていない機能は衰えていくからです。

これを「廃用性症候群」と言いますが、脳や筋肉も使わないと衰えるのと同じです。セックスをすると腟も潤い、骨盤底の筋肉も自然と使います。更年期を過ぎ、もうセックスをしないとしても、腟まわりを保湿してきちんとケアしたり、腟をグッと締めて骨盤底を刺激するような運動を意識的に取り入れていかないと、GSMの症状を悪化させてしまいます。

 

GSMを単なる下半身の不調と捉えていると危険で、フェムゾーンのコンディションは生活の質を左右する重要なファクターです。

尿漏れがたびたび起こると自由な外出がしにくくなりますし、骨盤底が衰えると子宮や膀胱などの臓器が支えられなくなり腟から外に飛び出してしまう『骨盤臓器脱』につながります。不快感を感じたら放置せず、早めの対処が必要です」