「へバーデン結節」の原因、予防は?


山田:実は、原因は両者ともにはっきりとはわかっていません。病名は、それぞれの病気を初めて報告した人の名前にちなんでいます。基本的には、「同じ分類の病気で、場所が違う」と考えていただいてよいでしょう。

編集:なるほど……! ちなみに、「原因がわかっていない」ということは、予防が難しいのでしょうか?

 

山田:そうですね。ただ、40代〜50代の、特に女性に多い病気だということはわかっていますので、更年期や妊娠など、女性特有のイベントとも関連しているのでは? と類推されています。

また、加齢によって、長い間動かし続けてきた関節に摩耗(まもう)が起こることが原因の一端を担っているのではないか、とも言われています。

膝や股関節でよく問題となる、「変形性関節炎」と言われる病気があります。関節の間のクッションである軟骨が擦り減ることで、関節の骨などが摩擦を起こして炎症を起こすなどして、痛みが生じる病気です。「へバーデン結節」は、この症状が手に起こったものなのではないか、と考えられています。

新築の時はスムーズだったドアの開け閉めが、長い年月を経て、きしんでしまった状態をイメージしていただくと、わかりやすいかもしれません。

編集:なるほど! 私はパソコンやスマホの使用、家事などで、かなり手を使っている自覚があるので、そうした生活習慣に気をつけることが予防になるのでしょうか?

山田:そうですね。ありきたりかもしれませんが、「使いすぎに注意する」「痛みを感じたら休める」ことが大切ですね。喫煙との関連が指摘されることもありますので、禁煙なども予防になると言われることもあります。

「遺伝するのですか?」と聞かれることもありますが、遺伝性は証明されていません。ただ、お母様やお祖母様が「へバーデン結節」になっている方は、その生活習慣・行動様式を受け継ぐことが多いため、その影響で、ご自身が同じ病気になることはあり得るかもしれませんね。

編集:ちなみに、「へバーデン結節」かもしれないと感じたら、まずはどうすればよいのでしょうか? どんな治療をするのですか?