インスタグラマーという働き方もある


本当のことを言うと、私は自分のことを発信するのがとても苦手でした。インスタグラムは10年前からアカウントをもっていたけど、「どう見られるか」が気になりすぎてのびのび発信できずにいました。わかりやすく言うと“ザ・自意識過剰”。そんな気持ちが伝わるからか、フォロワー数は10年かけても950人ほどでした。

状況が変わったのは片づけをするようになってから。フォロワー数が少しずつ増えたことでだんだんおもしろくなり、研究を始めました。結果、わかったのが「いかに見てくれた人の役に立つか?」の視点の大切さです。

そこで、今まで自分にしか向いていなかったべクトルを外側に向け「どうやって見に来てくれた人に喜んでもらおう?」と意識を切り替えました。すると、恥ずかしさやプライドを手放せ、自分でも思いがけないほどのびのびと発信できるようになったのです。

 

そのうちフォロワー数をもっと増やしたいという欲がわき、有料のテキストを購入したり、コミュニティに入ったりと技術を磨きました。楽しみながらもコツコツと投稿を続けたことでフォロワー数はじわじわと伸び続け、2年半たった今では15万人を超えるまでに! 努力というより、夢中になっていた感覚だったので、びっくりでした。

 

やってよかったのは、自分のダメなところもあえてネタにしてさらけ出したこと。かつて「映え」が大事とされたころと違い、今では「共感」のほうが大事なのです。

つまりなにかを発信するにあたって完璧である必要はなく、不完全な部分は「のびしろ」として、自然体のまま発信すればいい。これならだれにでもできますよね。

このように自分らしく楽しんでいたインスタグラムですが、フォロワー数が増えるにつれて企業からPR依頼が来るようになりました。かつてはテレビやラジオでタレントが行っていたことが、よりリアルな感想を伝えられる一般人へと移行したのです。その可能性はどんな人にでも開かれていて、やり方も自由。しかもスマホひとつでできるのだから、すごくいい時代だなと思います。