妻に「今日何かあった?」と聞く前にやるべきこと

 

――自動掃除機はちょっぴり残念ですが、便利家電も色々試されているんですね。ちなみにパパ頭さんの育休が開けてからは、育児でどんなことを意識されていますか?

パパ頭 家に帰ったときに、「自分が不在時の風景」をできるだけイメージするようにしています。夫婦ふたりで一緒にいれば自然と共有されることも、一緒にいない場合は当然わかりません。なので、まず仕事から帰宅したら、僕が不在時の「妻と子どもたち」の様子を頭の中で描き出していくんです。

 

――奥様に「今日何かあった?」とは聞かないのですね。

パパ頭 育児は脳をフル回転させるので、脳が疲れ果てるとコミュニケーションを取るのも難しかったりするんです。僕も経験したのですが、「今日何かあった?」の一言に返事するだけでも、すごく負担だったりする。だから「聞かずに察する」こともパートナーとして大切だと思っています。

 

パパ頭 「それってちょっと難しいのでは!?」と思われるかもしれません。でも、「察する」というのは何もエスパーみたいな能力を発揮することじゃないんです。部屋中に点在している「痕跡」に注目してみると、実はいろんな想像ができます。例えば、鼻をかもうと手を伸ばしたティッシュ。朝にはなくなりそうだったのに補充されていたら、忙しい中で妻が詰め替えてくれたと気づいて、「ありがとう」の一言を伝えられると思います。

「なんでしてないの?」の物言いは“自傷行為”に等しい


――もしもティッシュがなくなったままなら、相当忙しかったんだなと想像することもできますね。

パパ頭 そして何も言わず自分で補充するのも大事。そこで「なんで補充しないの?」みたいな物言いって、育児に限らず非常に危険なコミュニケーションだと思うんです。パートナーを傷つけて険悪な空気になり、子どもも含めた家庭というコミュニティも傷つけてしまう。コミュニティを傷つけることは、結局は自分を傷つける「自傷行為」みたいな側面があると思っています。誰も利するものがありません。

それに、個人の苦手を責めたり、責められたりしても、一朝一夕で育児スキルが上がるわけじゃない。そんなことよりも「環境や条件」に目を向けて、もっと楽ができないか、効率化できないかを一緒に考える方が、パートナーにも、コミュニティにも、ひいては自分にも優しい選択なんじゃないかと思っています。