例文集などに頼るよりも、できれば本当は、心からの声を伝えてあげるのが一番だと思います。しかしそうはいっても、自分の一言が相手を傷つけてしまわないか不安だし、少しでも元気づけられるような言葉を届けたいですよね。
私が友人から言われた中で、本当に嬉しかった言葉を紹介したいと思います。主観もあるかもしれませんが、ご参考になれば嬉しいです。
言われて嬉しかった言葉① 「これからは、無敵だよ」
一番嬉しかったのは、私が手術や治療を受けると決意したときや、さまざまな辛い過程を乗り越えるたびに、「よく決断したね」「本当に頑張ったね」などと褒めてもらえたことです。
辛いことはたくさんあったけれど、大きな山場を越えた際に「サチエはもう無敵だよ!」と言ってもらった時は、ここまでの頑張りを讃えてもらえたようで心に沁みました。
言われて嬉しかった言葉② 「推しのチケット、取れたよ」
同じK-POPグループを好きな友達から、入院中に「ファンミーティングのチケットが取れたよ! それまでに絶対元気になって!」という連絡がきました(笑)。
推しが見られるのももちろん嬉しかったですが、治療中は孤独を感じることが多いので、外の世界で誰かが待ってくれていると実感できたのが大きな励みになりました。「早く退院して、絶対元気になる!」と心に誓った瞬間でした。
言われて嬉しかった言葉③ 毎日のなにげないLINE
実はすごく嬉しかったのが、友人や家族との毎日のなにげないLINEのやり取りでした。コロナ禍で入院中は面会禁止だったこともあり、看護師さんとしか話していない日々が続いていた中で、友人が他愛もないLINEに付き合ってくれていました。
周囲の人から引かれてしまうことや、気を遣われすぎてしまうことが怖かったので、いつものように普通に接してくれるのは嬉しかったです。
人から言われてモヤモヤした言葉も……
たくさんの言葉に救われた一方で、実は逆に、誰かから言われた言葉にちょっぴり傷ついたり、モヤモヤしたことも何度かありました。
それらは本当に、ちょっとしたひと言。
例えば、私自身がなるべく悲観的にならないようにしているのに、誰かから「かわいそうに」とか「不幸だ」といった反応をされると、悲しい気持ちになりました。
また、治療を終えていつも通りの生活を送るようになった頃、「なんだ。そんなに元気なら、大したことなかったんですね」と言われたことがあって、その時もモヤッとしてしまいました。
治療中や治療直後は、相手に悪気がないことがわかっていても、些細な言葉や態度に傷ついてしまうことが多かったです。
言われて嬉しい言葉も、傷つく言葉も、その人の状況や性格、そして声をかけてくれる相手との関係性によっても全く異なります。
私の場合、モヤモヤしたこともありましたが、やっぱり忘れられないのは、友人や家族が決して涙や同情のそぶりは見せずに、私を励ましてくれたこと。特別な言葉はなくても、さりげなくそばにいてくれるのが一番嬉しかったです。
もし今後、私の家族や友人が辛い立場になった時も、同じようにそばにいたいなと思っています。
もしも身近な人ががんになったら、どう接すればいい?
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イラスト・文/小澤サチエ
構成/山本理沙
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