もし、子どもが学校に行きたくないと言いだしたら……


――コロナ禍では、不登校児数が増えたことがニュースになっていました。また夏休み明けなど、長期休みのあとは不登校のお子さんが増えやすいとも言われています。子どもが学校に行きたくないと言うと、親はとても戸惑いますし、心配しますよね。ekkyさんが学校に行けなかった時期に、ご両親はどのような行動をとられていましたか? 

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ekkyさん それが……何もしなかったんです(笑)。「学校に行った方がいいよ」とは言われていたのですが、無理やり登校させようとしたり、怒られたりはありませんでした。僕の親は、“自分自身で決めたことじゃないと、やる気がでないだろう”と考えていたみたいなんです。それがとても大事なことだって気づいていたから、無理に学校に通わせようとしなかったのだと思います。

 

――子どもの意思を尊重するご両親だったのですね。

ekkyさん そうですね。例えば僕が「学校に行きたくない」と言った時には、「それはよくない」と一方的に否定するのではなく、「どうして行きたくないの」と向き合ってくれました。きちんと親が相談相手になってくれたんです。

――無理やりにでも、学校に行かせようとしてしまう親もいると思います。そんな中、ekkyさんのご両親は見守り続けてくれた……、なかなかできることではありませんよね。

ekkyさん 僕自身の経験から言えば、もしも子どもがなにかに悩んでいて「学校に行きたくない」と言った時には、まず「信頼しているよ」っていう声かけをしてほしいです。たまたま今が、学校に行きたくないというタイミングなだけかもしれません。時がたてば自然と気持ちが変わることもある。そこはちゃんと、子どもの様子をしっかり見てあげてください。例えば、頭をなでるとかハグをしたりすることで、子どもを信頼しているという気持ちは伝わると思うんです。親が子どもを信頼しているという気持ちが伝わっていけば、いずれ大事な話もできるようになると思うんです。

――親は思い詰めないこと。ありのままの子どもを受け入れて、信頼する……。

ekkyさん そうですね。親の思いだけで子どもを無理に動かそうとしてはいけないと思います。子どもを一番に信用しなければならないはずの“親”から怒られたりすると、関係性が悪くなってしまいます。それよりも、誰かと話したり、漫画やアニメを見たり、いろんなことを経験させるのが良いと思うんです。どこかに連れ出したり、いろいろな考え方を触れる機会を増やしてあげる。そして、子ども自身が自然に変わっていくまでそっと見守ってあげるのが、一番大事だと思います。