――それだけ親の介護に悩んでいる人が多かったということですね。

こずえさん:フォロワーさんには「もっと大きなアカウントになってください」とも言われました。でもどうやったらフォロワー数を増やせるのかわからなかったので、オクシンさん(@OKU_MAYA)の運営する「SNSの学校」というところに入って、文章の書き方などの勉強をしました。そこからフォロワー数がどんどん増えて、今は2万人超えたという感じです。
今でも、DMが1日20通くらい届きます。「自分も在宅で親の介護でこんなことに困っています」という内容や、あとは「介護をしていますが、自分の仕事をどうするか悩んでいます」だとか「一人っ子同士の結婚なので、親の介護をどうしたらいいか」といった相談を受けます。
親の介護に直面している方々の一番の問題は、親と別々に暮らしていて、自分の世帯の生活があるということです。私は今49歳で、娘がいて3月に孫が生まれたのですが、同年代でまだお子さんが7歳くらいだという人もいます。そこで親の介護が出てきたら、親のところに行きたくてもなかなか行けませんよね。育児があるし、旦那さんのお仕事もあるし。
やはり高齢化・少子化問題が切実になってきているのを感じます。

 

子どもが幸せでいるのが本当の親孝行

こずえさん:フォロワーさんから「私が親の介護はしないといけない、誰にも頼めない」と相談された時には、「仕事は辞めないでください」と伝えています。介護のさまざまなサービスを利用して、あなたは仕事を続けた方がいいですよ、とアドバイスすることが増えているんです。なぜかというと、必ず親は自分より先に亡くなるから。これから先、親の人生よりも自分の人生が長いのに、キャリアの中断をしたら、親が亡くなった後、自分の生活が成り立っていけるかわかりませんよね。
介護をしていく時には、「在宅で、一人で」ではなく、さまざまなサービスを利用して、いろんな人に相談してください。特別養護老人ホームやデイサービス、福祉制度を利用したり、在宅だとしてもヘルパーさんのようなサービスを頼んだりして、無理をしないで自分のできる範囲で親の介護をやっていってほしいです。
先日投稿した下記のポストについてですが、この利用者さんと接していて私は、「親が亡くなった後も、子供が幸せに暮らしていけるのが本当の親孝行」だなと思ったんです。


親孝行するために介護をするっていうのも本当に立派なことだと思います。
だけど、介護はゴールがいつかわかりません。終わる時=親が亡くなるその時までだから、いつまでこの介護が続くかわからない。だから、介護休業は取りづらいんです。このことをもっと理解してくれる会社がもっと増えればいいなと思います。
そして、親の介護で介護施設やサービスを使うのは当たり前、という社会になってほしいと思います。利用する人を「子どもがいるのに施設に預けている」「在宅サービスを利用して子供が全然面倒見ていない」などと、非難しないでほしいんです。
介護が必要になった親を施設に預けたり在宅サービスなどを利用することは、決して親不孝ではないんです。

「疲れ果てる前に、早く介護サービスを利用しましょう」と呼びかけているポスト


介護福祉士として多くの利用者さんを見てきただけでなく、ご自身もお母様の介護を経験されたこずえちゃんさんだからこその「子供が幸せに暮らしていけるのが本当の親孝行」という言葉が印象的でした。親の介護について誰かの話を聞きたい、誰かと話したいと思った方はX(旧Twitter)にて、こずえちゃんさんをぜひフォローしてみてくださいね。X(旧Twitter)上で音声を使ったリアルタイムの配信・会話ができる機能「スペース」で不定期で介護のお話もされているそうですよ。

「こずえちゃん」さんのSNSアカウント>>

次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
 

写真/Shutterstock
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩

 

 
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