明るい未来がある間に「片付け」を終わらせる

高齢になっても多くの人は、ついつい「自分で片付けなければ」と思いがちですが、断捨離が自力でできるのは60代前半まで。荷物の整理は、明るい未来があるからできるもの。この先の生活にワクワクするから、処分することができるのです。

「片付けなければ」の思いからは、もはや前には進めません。上手に業者を使う術を、学んで欲しいと思います。

 

また戸建てかマンションかによっても違ってきますが、半径2メートルほどで生活されている高齢者は、本当にたくさんいます。戸建てとマンションの良さはそれぞれ一長一短ですが、そもそもそれほどの広さは必要でしょうか。

庭いじりやDIYが趣味なら戸建てでも良いかもしれませんが、高齢者になると座っている時間が増えるので、結果として簡単にゴミ屋敷になりやすいのです。

まだまだ明るい未来がある間に断捨離をして、終の住処をどうするか、クリアな頭で考えていきましょう!

<まとめ>引っ越しのリミットは「60代前半まで」と覚えておきましょう。
 

【ケース2】賃貸の場合、家賃を死ぬまで払い続けられるか不安…

 

ふたつめのケースは、賃貸住宅に関する問題です。ミズエさん(仮名・73歳)が、家賃を滞納しているということで、家主から私のところに明け渡しの訴訟手続きを依頼されました。家主は毎月のように督促をしますが、のらりくらりとかわされてしまい、65000円の家賃なのに、既に20万円近く滞納になっているとのことでした。

この話のポイントは、賃借人の年齢が73歳ということ。そして家賃が生活保護の受給レベルより高いということです。

ミズエさんは、まだ働いていました。その理由はただひとつ。もらえる年金がほとんどないからです。ミズエさんは国民年金の対象で、さらにこれまで年金をほとんど払ってこなかったため、今働いて得る収入だけが頼りです。

73歳の現時点で、働いていること自体がすごいとは思いますが、近い将来に働けなくなる時がきっときます。その時には、収入は途絶えます。そうなるとどうやって生きていくのでしょう……。

あとは生活保護を受給するしかなくなります。でも生活保護を受給するためには、その受給ラインの家賃帯、つまり53000円以下(金額はエリアによって変わります)の物件に住んでいないといけません。