③ 熱い飲み物
——熱々のまま飲まずに、少し冷ましてから飲む

 

食後に飲む熱いお茶やコーヒーが楽しみという人は多いでしょう。とくに更年期には「冷え」の対策もあり、冷たいものより熱いものを好んで飲む方もいらっしゃるかもしれません。

 


しかし、熱い飲み物全般は食道がんのリスクを高めるというデータがあります(※7)。その理由は、熱い飲み物は食道の内側の膜を頻繁に傷つけることが原因ではないかと推測されています。

がんは、大まかに言うと、細胞が細胞分裂を繰り返す過程で遺伝子にコピーミス(がん細胞)が発生することで発症します。食道が熱い飲み物で損傷するたびに、それを修復するために細胞分裂が繰り返され、がん細胞ができる確率が増えると考えられます。

熱い飲み物がまねく食道がんのリスクは、たとえ体によいものを飲んでも変わりません。南米で「飲むサラダ」とも呼ばれるマテ茶と食道がんの関係を調査したところ、やはりお茶の温度が高いほどがんのリスクが高くなったそうです(※8)

ただし、これはあくまで程度の問題です。熱い飲み物が大好きという人以外は、そこまで神経質になる必要はないでしょう。熱々のまま飲まずに、少し冷ましてから飲むように心がけてください。

また、熱い飲み物を習慣的に飲み、喫煙・飲酒の習慣もある人は、相乗効果で食道がんのリスクが上がるので注意しましょう。