復讐の決意


「このときは親友に『まだ彼に何も言っちゃだめ、気づかれないで』と言われ、放心状態ではありましたが、何とかやり過ごしました。

でも一晩中、朝まで眠れずに彼の寝顔を見ながら『ほんとに既婚者? 子どもが3人?』と、ぼんやり考えていました。それに……この人のこと、嫌いになれる? と思うと、もう絶望で本当に泣けてきて……。

もともと子なしのバツイチとは言っていたので、たぶん子どもがいることを嘘ついていただけで、奥さんとはきっと離婚済みだとか、無駄な希望を探していました。だって、あれだけ一緒にいて、ていうか翌月には結婚するはずだったのに……」

これほど最低な男性は一刻もはやく忘れるが勝ち、辛くても手放せば必ず新しい良縁が舞い込む……というような恋愛論はよく聞きますし、もちろんそうできるのは理想で、まったくその通りだと思います。

しかし当然ながら、美咲さんの状況で、最愛の婚約者への気持ちを瞬時に切り替えられるかと言ったら簡単なことではありません。

婚約者の「母親が鬱病」は大ウソ...その正体は、既婚者だった。スマホを盗み見た彼女が目にした驚愕の画像_img0
 

「その後すぐに親友に会うと、やはり彼が既婚者であることが判明しました。証拠は色々揃っていて、彼の会社の社内報に家族写真がばっちり載っていたりもしました。その中で仕事と家族の時間のバランスについて語っていたりもして……。ただただ、もう意味がわかりませんでした」

美咲さんのショックを思うと、いたたまれない気持ちになります。

 


友人もそれ以上の気持ちだったのか、2人はその足で弁護士に相談に行くことに。美咲さんは酷い寝不足のうえ、精神的に不安定な状態でしたが、そんなときこそ感情に流されず、きちんとプロの意見を聞いて行動すべきだというのが友人の意見でした。

「弁護士さんいわく、私は『貞操権の侵害』で彼を訴えることができるとのことでした。彼は既婚という身分を隠して私と関係を持ち嘘をついていて、その証拠はLINEやマッチングアプリの履歴などで沢山残っていました。

たしかに弁護士さんと話しているうちに、私も黙って泣き寝入りはできない、絶対に仕返ししてやるという気持ちになり……慰謝料を取ろうと思いました。請求額はとりあえず500万円。今の状態のまま彼を泳がせて、さらに証拠を集める計画を立てました」