自分の心を守り、良い状態を保てるようにコントロールする

「ご機嫌でいるのは決意」。医師が患者と向き合う中で編み出した言葉が、生きるのをラクにする【高尾美穂先生】_img0
写真:Shutterstock

 あなたをご機嫌にする言葉① 
ご機嫌でいるのは決意


ご機嫌でいようと決意することで物事のマイナスの面ではなく、プラスの面が見えてくる。自分がそう決意すればご機嫌でいることはできるはず。

ご機嫌でいる、というのは決意だと思っています。私は朝起きるといつも、「今日も一日ご機嫌に過ごすぞ」と自分で決意するんです。この決意によって、想定外の出来事が起きても「まぁいいか」と思えるもの。

たとえば、ちょうど仕事に出かけようとしたときに、宅配便の方がインターホンを鳴らすという出来事が起きたとします。その方がマンションの一階から二つの鍵を開けて上がってくるのを待っていると、仕事に遅れるかもしれない。そんな状況でも「タイミングよく受け取れてよかった」「その方が重い荷物を何度も運ばなくてすんだ」という考え方ができれば、その出来事ですらご機嫌でいられる理由になるのです。

 


 あなたをご機嫌にする言葉② 
自分の心に鎧を着せる


体がむきだしだと大きなケガをしてしまうように、心もむきだしでは、ダメージが大きくなってしまう。だから、自分の心に鎧を着せて、自分を守ろう。

私たちは、人の発する言葉に傷つくことがあります。そんなとき、心がむきだしでは、ダメージが大きいですよね。私は中学生の頃に、あとから思えばいじめだったと考えられる経験をしました。そのとき、本能的に自分を守る方法を探し、たどり着いたのが、「心に鎧を着せる」ことでした。
 
心に鎧を着せる方法は、いくつかあります。

まず、「人は他の誰かから傷つけられる可能性がある」と知っておくこと。あらかじめ知っておけば、ダメージが減り、回復も早くなります。

そして、もし傷つけられたら、傷ついた自分の心をギュッと抱きしめること。「大丈夫、大丈夫」「気にしない」という言葉を自分にかけるのです。自分にはいいところがあるとちょっと開き直ることも、心にプラスに働くでしょう。