カジュアルラインで「防災ジャケット」を作る予定です

――Xでは洋服についてどんな要望が多いですか? カジュアルなものも作ってほしい! というのを拝見しましたが……。

元鈴木さん:カジュアル需要は高いですね。今まで結構エレガントなお洋服を作っていたので、もう少し気楽に着られるものを求めてらっしゃるのかなと思います。


――「こんなアイテムを作ってほしい」などの具体的な要望はありましたか。

元鈴木さん:ウエストのくびれ感が出ない服が欲しいというリクエストをよくいただいています。弊社のお客様は胸やお尻が大きくて体のカーブが多い方やお腹部分も大きめサイズの方が多いので、どんなサイズの方でも着られてすっきり着痩せするお洋服を、と考えるとどうしてもウエストを絞らないといけないので、カーヴィーなラインのお洋服が多かったんです。

ですが、「ウエストがストンとしたシルエットのお洋服が欲しい」というお声をたくさんいただいたので、カジュアルラインを作っていこうと思っています。
とんでもない生地でできてる「防災ジャケット」やリクエストの多かったカーゴパンツを予定しています。

 


――「防災ジャケット」ってすごく気になるのですが、どういったものなのでしょうか。

元鈴木さん:これはちょっとまだ企画を頑張って進めている最中なのですが、旅行にも使えて日常使いもできる燃えにくい生地で、ポケットをたくさんつけたウインドブレーカーを予定しています。
1月の羽田の航空機事故をきっかけに、女性も安心して旅をできることが大事だなと思ったのと、お子さんと一緒に搭乗される方も多いと思うので、しっかり大きくていろいろと物が入るポケットをつけようと思っています。

「実用的」であることはファッションでは私はすごく大事だと思っているんです。女性はお人形さんではない、日々生活をしている一人の人間なので。


――カーゴパンツはどのような工夫をしようかなと思っていますか。

元鈴木さん:たくさんポケットがついているっていうのはもちろんなんですけれど、元CAの方が避難時の注意点について語っているポストなども参考にして、お尻側にはポケットはつけないで、いつも通り600mlボトルが2本入るような大きなポケットを2つつけようと考えています。

あと、お客様からのリクエストで多かったのが、ポケットにファスナーがついてないと中身が落ちるという声だったので、ポケットにはファスナーを付けるのを、今回はやってみようかなと思っています。

ポケットにたくさん物を入れるとなると、ウエストでその重さを支えることになるので、しっかり支えられるようなウエストの作りにするというのを目指しています。

今年の夏、初夏くらいに商品を発表できるかなと思っています。

――カーゴパンツを作ろうと考えたのも、1月の羽田の航空機事故に対するSNSの声を見たからなのでしょうか。

元鈴木さん:そうです。カジュアルな服を作ってくださいというリクエストは以前からいただいていたのですが、今ひとつ踏み出せなかったところが正直ありました。でも、今回ここまで需要があるなら作ってみようと思ったんです。

――「こういう商品を作ろう」と考えてから、実際に発売に至るまでにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか。

元鈴木さん:最短で4ヵ月ですね。企画から始まるので、生産ラインに載せて納品までだとそれくらいはかかってしまいますね。

――4ヵ月ってすごく早いなっていう感じはします。

元鈴木さん:早い方だと思います。大きい企業さんだと、まず決済を取りに行くのが必要なんですけど、弊社は私がやるぞって言ったらみんな進めてくれるので、フットワーク軽く、物作りができるのはすごくありがたいことだと思ってます。

――そうですよね。世間のみなさんが「あー、こういうの欲しいな」って思うタイミングから、そんなに時間を空けずに商品化されると「あ、欲しかったものだ」ってすぐに思い出せるからいいですね。

元鈴木さん:そうですね。ニュースや話題が風化する前に商品をお届けしたいなというのはいつも考えてます。