ミモレ読者のみなさん、こんにちは~。
お久しぶりです! 以前、『母とヨーロッパへ行く』というタイトルで旅について連載しておりました、太田篤子です。この11月22日に、『母とヨーロッパへ行く』が書籍として出版されることになり、あらためて番外編を書かせていただくことになりました!

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こちらが表紙です。ヨーロッパ旅の詳しい案内のほか、高齢の親との旅のノウハウ、ミモレでも好評だった、旅での服装についてもまとめました。「母娘旅してみたい! でも……」という方の背中をちょっとでも押せるといいなあと思っております。
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書籍の中でも、イギリスのコッツウォルズ地方やスペインのラ・マンチャ地方、フランスのシャンパーニュ地方など実際に母と旅した5つのプランを載せておりますが、今回は、その中の一つ、行きたてほやほや(2018年10月!)のフランス・アルザス地方&ドイツのライン川支流の街を巡った旅の話をさせていただきます。

この旅では母娘旅10年目にして、初めてチャレンジしたことがあります。それは「クルマをチャーターして日本人ガイドに案内してもらうこと」です。なんて贅沢! きっとお高いはず?
……それがですね、とっても良いサイトを発見したのです。海外在住で現地に関しての知識や経験をお持ちの日本人と、私たちのような日本人旅行者を結びつける「トラベロコ」というウェブサイトです。今回はアルザスを巡る1日だけお願いしてみたのですが、旅行会社が企画するプライベートツアーの半額くらいで素敵な旅が実現できたのです。

案内してくださったのは、ストラスブールに20年以上住む女性の方。音楽家で日本への帰国時にはリサイタルもなさっているそうです。前もってメールでやりとりをし、アルザスの美しい小さな村をクルマで回りたいこと、膝の悪い高齢の母と一緒であること、あまりに観光客が多いところは疲れてしまうので避けたい、美味しいアルザスワインが飲みたいことなどの希望を伝えておいたところ、それに合ったプランを考えてくれました。

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アルザス地方と言えばかわいらしい木組みの家が有名で、こちらはリクヴィールのカラフルな家。
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そしてアルザス地方と言ったらアルザスワイン! おいしい白ワインを堪能しました。(エギスハイムにて)


今回は「フランスの最も美しい村」に選ばれた3つの村を訪れました。すれ違った観光客はゼロ、商店は1つしかなく地元の人々の暮らしぶりが見えた可愛らしい街「ユナヴィール」、木骨組みの家々が有名でマーケットが開かれていた「リクヴィール」、花々が美しく手入れされ、名物のタルトフランベとアルザスワインを楽しんだ「エギスハイム」。どの村も本当に小さくのんびり回ることができて、高齢者にぴったり。そんなに疲れることもなくホテルに戻ることができました。

ガイドしてくださった女性は案内業が専門ではありませんが、海外に長く住んでいるだけあって、その土地についてはもちろんですが、芸術やワイン、いろいろな分野にも造詣が深く、とても魅力的な方でした。運転も大変上手で母も私も大満足。いつもは運転担当の私も、今回はここぞとばかりにアルザスワインを楽しみ、いい気分でリラックスしておりました~(笑)。

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リクヴィールはメインの大通りを端から端まで歩いても20分足らず。高齢の母にちょうどいいサイズの美しい街です。
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ストラスブールは大聖堂をはじめとしたフォトジェニックな場所がたくさんありますが、旧市街ではちょうどアンティークマーケットが開かれていました。


そしてこのとき、私は母に関してあることに気づきました。母がいつも以上におしゃべりで、楽しそう。こんなに生き生きしているのはなぜなのか……。ワインのせい……? いや、それもあるでしょうが、その理由は、そう、日本語が使えたからです。旅行先では、私を通してしか現地の人と話すことはなかった母。今回初めて、日本語で現地の方からその地の説明を聞き、興味を持ったことを自ら質問することができ、聞いてもらいたいことを直接話せる。私を介さず自分というものが思いっきり出せて、それが母の心をさらに浮き立たせているようでした。なるほどな、よかったなと私もほろ酔いながら、そんな母を感慨深く見ておりました。

いままで、母には旅の醍醐味である「現地の人と直接コミュニケーションをする」ということがなかったのだわ、と10年目にして気づき(遅いですね……苦笑)、次の旅へのアップグレードノートに書き込んだ次第です。
そしてもう一つ、アップグレードノートに綴ったことが。それは、次回にお話ししますね。では、また、来週!
 

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『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』

太田篤子 著 11月22日発売 講談社刊 144ページ 1400円(税別)

高齢の母とストレスなく、コスパよく、母も自分も楽しい旅にするには? 飛行機やホテル予約のポイント、ちょうどいいファッション、体調管理のための持ちもの、予定の立て方―――また行きたくなる旅プランと安心に旅するコツもご紹介します。

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持って行ってよかったおすすめの持ちもの、ホテルの検索の方法、ホテルへ直接予約するときのメール例なども載っています。楽しく安全な母娘旅のためにお役立てくださいませ。

 

第1回「母は旅のベストパートナー?」はこちら>>
第2回「今こそヨーロッパの田舎へ」はこちら>>
第3回「ホテル選びに最大限の情熱を!」はこちら>>
第4回「眺めのいい部屋でシャンパンを」はこちら>>
第5回「私がホテルに求めるもの」はこちら>>
第6回「母にとって、楽しかった旅の条件とは」はこちら>>
第7回「母との旅の食事問題」はこちら>>
第8回「旅のファッションについて①」はこちら>>
第9回「旅のファッションについて②」はこちら>>
第10回「旅のファッションについて③」はこちら>>
第11回「旅の交通手段について①」はこちら>>
第12回「旅の交通手段について②」はこちら>>
第13回「旅の交通手段について③」はこちら>>
第14回「お土産問題」はこちら>>
第15回「母との旅でいちばん大切なこと」はこちら>>
最終回「さて、どこへ旅しよう? ―――旅の目的地問題」はこちら>>