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令和の皇室の特長、歴代皇后のなかで雅子さまを象徴するキーワードとは?

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多文化、多様な価値観が求められる時代の皇室へ


それぞれの時代の天皇皇后のなさりようには、その時代の雰囲気が反映しています。

「令和の時代で一番のキーワードは、多文化、国際性だと思います。外国で単独で生活したという留学経験があるのは、歴代の天皇、皇后で初めてのこと。お二人とも多人種、多文化、多言語の世界に身を置きながら生活した経験があるのです。

 

ハーバード大学の卒業式にて。写真/宮内庁提供

 

令和が始まった昨年、非常に特徴的だったのは、外国からの来訪者が立て続けにあったことです。まず5月に米国のトランプ大統領夫妻が来日し、その後、6月にはG20大阪サミットのためにフランスのマクロン大統領夫妻やトルコのエルドアン大統領夫妻など主要各国の首脳が来て、11月にはローマ教皇フランシスコが訪日しました。

 

天皇陛下即位後初の国賓、トランプ大統領とメラニア夫人を迎えられた雅子さま。流暢な英語で大統領および夫人と会話される雅子さまに、称賛の声が相次ぎました。2019年5月27日、米国大統領夫妻を迎えての晩餐会にて。写真/JMPA・文藝春秋

そして、今年の夏にはオリンピックとパラリンピックも予定されています。
令和の天皇と皇后が国際性を持った人間であると同時に、その存在に世界中から広く注目が集まる、ちょうどいいタイミングで代替わりが行われました。
新しい時代が始まるための十分な環境整備がなされているという印象です。

これからは、天皇陛下と雅子さまのご留学経験、それに基づいた国際性が、どのように令和の時代の活動の中で活かされていくか、注目されますね」
 

●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』( 講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』(講談社)、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
撮影/山本遼(大久保さん・講談社)
構成/高木香織、片岡千晶(編集部)

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