新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅にいる時間が増えています。いつもよりも長く家族と顔を突き合わせている分、ストレスがたまり、夫婦仲が険悪になる人も少なくないようです。そのイライラを配偶者にぶつける例もあり、モラハラ(モラル・ハラスメント)が表面化しやすくなっています。でも、当事者だとそれが「モラハラ」だと気づきにくいことも多いようです。講談社の女性向け漫画アプリPalcyに掲載中の『暴力亭主から逃れる10の方法』の主人公・塔子さんも友人から「それ、モラハラだから」と指摘されて初めて気づいたといいます。そんな彼女は果たして、モラハラ夫から逃げ出せるのか?

『暴力亭主から逃れる10の方法』  斎藤かよこ 講談社

『暴力亭主から逃れる10の方法』主人公の塔子さんは1児の母。夫と義理の両親と共に暮らしているのですが、とにかく世間体を気にする彼らから、「恥ずかしい嫁」と呼ばれています。

 

 

塔子さんは小説家として自宅で執筆活動をしているのですが、「家で働いてるだなんて、引きこもり同然!」とバッサリ。娘がいるのですが、男の子を産めなかったことで「恥ずかしい」と責められています。でも、そういった暴言が常態化しているせいで、自分は社会に必要とされておらず、この家から出て暮らすことはできないと思い込んでいました。

 

しかし、ある日友人に「それモラハラだよ」と指摘されます。塔子さんにとっては、門限が16時で、延長保育に入れたら「育児放棄」と責められるのも普通のことだと思い込んでいました。夫にやめてほしいと言ってみたところ、殴られる始末。モラハラ以外の何者でもありませんが、長年、夫と義両親の価値観が絶対という環境に身を置いているうちに、感覚が麻痺してしまっていたのです。

 

常に責められ続ける塔子さんを見た娘が、「私、この家にいたくない。ママがいじめられているのを見たくない」と言っていたことを思い出し、塔子さんは子どものためにも逃げ出さねばとようやく決意します。

 

塔子さんは友人たちの力を借り、その方法を模索することに。まず始めたのは証拠集め。“バツ2先輩”という心強い味方も登場し、 ICレコーダーを隠し持っての「録音」、されたこと、言われた日時や内容を記録する「手帳」、暴力を受けた時の「診断書+写真」が必要というアドバイスをもとに、行動を開始します。

 

それにしても、塔子さんの夫や義両親のひどいこと……。塔子さんが稼いだお金はほぼ没収し、塔子さんが外出するのを阻止し、と、話が進むたびに「いますぐ逃げて〜」と叫びたくなるほどです。モラハラの恐ろしいところは、「お前のために言っている」「お前が間違っているから教えてやっている」などと、もっともらしいことを言って、相手を精神的に支配するところにあります。塔子さんも毎日のように自分を責められ続け、だめなのは自分と思い込んでしまっていました。

モラハラがテーマというと、ともすれば暗くて重くなりがちですが、この作品のいいところは、毎回どこかで必ず笑えてしまうところ。まさに漫画の強みが生かされています。また、塔子さんと夫家族とのバトルの続きが気になって読み進めるうちに、「今まで当たり前だと思っていたけど、実はよく夫に言われていることはモラハラだったのかも」と気づくこともありそうです。モラハラに悩む人の中には、離婚後の子育てや経済的な不安などから諦めてしまうケースも少なくないようですが、自尊心が削られ、完全に気力を失い、何もできなくなってしまう前にできることはあるはずです。まずは知ること、そして気づくこと。行動はその先にあります。このモラハラコメディ漫画(という新ジャンル誕生?)が、そのきっかけになるかもしれません。

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『暴力亭主から逃れる10の方法』
斎藤かよこ 講談社

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