すべてに「いいね!」しない

 

SNSを完全にやめたくない人でも、「つながり」への向き合い方を変えるだけで、心がぐんとラクになる方法があるといいます。それは、「相手軸」ではなく「自分軸のルール」を持つこと。つまり「マイルール」をつくることです。

 

たとえば、次のようなマイルールをつくってみては? と安藤さんは提案。
・SNSの通知をオフにする
・電話は緊急の用件以外出ないと伝え、メッセージに限る
・時間を決めて、機内モードにする
・2日おきに1日はFacebook を休む
・いいね! やコメント返しは親しい友達だけに限る

など。

最初は、罪悪感や申し訳ない気持ちを感じるかもしれませんが、「マイルールをつくり、きちんと伝えることで、相手にも『自分はこういう人』と受け入れてもらうきっかけにもなる」と安藤さん。

コロナ禍でテレワークが普及し、仕事もプライベートもネットでの「つながり」が増えがちな昨今。「すぐ返事をしないと!」と常に臨戦態勢だったり、せっかくの休日も仕事のネガティブな内容を目にする可能性が高まるなど、ともすれば心をすり減らしかねない状況でもあります。だからこそ、マイルールは決してわがままではなく、自分の身を自分で守るためにぜひ設定しておきたいもの。さらに筆者は、マイルールが“健全な人間関係を築く一助にもなる”ことを、安藤さんの次の言葉を見て実感しました。

「事務局スタッフのAさんは、『土日は仕事をしない』『平日の20時以降はレスを返さない』など、最初から私に対してはっきりと基準を示してくれたおかげで、お互いにストレスになることを避けられた。腹の底に抱えているものが少ないと、信頼関係も築きやすい。

こうした文化が、私たちのような個人だけでなく、会社などチームで働く人たちの間でも育っていくのを願う。勇気を持って境界線を引き、『マイルール』で動く人が増えると、お互いがより心地よく関わり合えるからだ」

おうち時間が増え続ける中、「スマホやSNSとの向き合い方」、そして人との「つながり方」を見直すヒントがほしい方は、ぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
 

 

安藤美冬(あんどう・みふゆ)さん:作家、コメンテーター。旅と仕事と学びのオンラインサロン『Meetup Lounge』オーナー、有料書評チャンネル『miffyのBook Journey』ブックプレゼンター、InterFM897 番組審議員、日本メンズファッション協会 ベストデビュタントオブザイヤー選考委員。1980年生まれ、東京育ち。著書累計19万部、新しいフリーランス・起業の形をつくった働き方のパイオニア。慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム大学に交換留学を経験。ワークシェアに代表される、働き方の最先端をいく現地で大きな影響を受ける。新卒で(株)集英社に入社、7年目に独立。本やコラムの執筆をしながら、パソコンとスマートフォンひとつでどこでも働ける自由なノマドワークスタイルを実践中。KLMオランダ航空、SK-Ⅱ、インテル、アクエリアスなど様々な企業の広告にも出演、働く女性のアイコン的存在である。「情熱大陸」「NHKスペシャル」出演、「Mr.サンデー」「あさチャン!」コメンテーターを務めるなどメディア出演多数。最新刊に『売れる個人のつくり方』(clover出版)、『新しい世界へ』(光文社)がある。
■公式ブログ:https://ameblo.jp/miffy-andomifuyu/
■無料メルマガ(まぐまぐ):https://www.mag2.com/m/0001692344

『つながらない練習』
著者:安藤美冬 PHP研究所 1925円(税込)

一日に5、6時間もスマホを見てしまう、ネットニュースに一喜一憂してしまう……。「スマホ依存」や「つながり疲れ」を感じている人に、「SNSの伝道師」と呼ばれた著者が実践した、スマホを少しだけ手放すための方法を紹介。著者はなぜ、すべてのSNSを退会してスマホと距離を置いたのか、そうすることで得られたものとは――。49の「つながらない練習」と、自分にとって本当に大切な「つながり」とは何かを教えてくれる一冊です。


構成/金澤英恵


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