政界一”いい人“が総理大臣になった!

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

そして、思い切り賛否両論あるのでしょうが、じつはそういう意味で総理大臣が岸田氏になって、なんだかホッとしています。批判を覚悟で言うならば、以前よりみんなの気持ちが多少とも落ち着いているのは、感染者が減ったからだけではないと思うのです。単純に、国のトップが”いい人“だからではないかと

 

もちろん、お友達の石原伸晃氏を内閣官房参与に選ぶというありえない起用(雇用調整助成金をちゃっかり取得していて即刻辞任!)には、無性に腹が立ち、空気が読めないにもほどがあると思ったけれど、政界一”いい人“というのは嘘ではないよう。放つ気配からもそれは読み取れます。

政治評論家から、現役議員に元議員までが異口同音に「いい人」と証言。不倫発覚で議員辞職した宮崎健介元議員にさえも優しい言葉をかけていた……というほどで、そこは何やら微妙ではありますが。

ただこれは、本来極めて大切なこと。リーダーはともかく改革できる人じゃなきゃ、外交にも強気な人でなきゃ、何ならちょっと横暴な位でなきゃ……政治に対し慢性的に不満を持っている私たちは、どうしてもそう思いがちですが、今度ばかりはこう感じたのです。明らかに1つの盲点だったと言えますが、今の日本には、“いい人”リーダーが不可欠なのではないかと。本当の意味での”いい人“が国のトップになったら日本はどう変わるのか? 期せずして良い国になるのではないか? それを見てみたいと強く思ったのです。

もちろんそれも無残に裏切られるのかもしれません。でも単純に、ホンモノの”いい人”なら、当たり前に世の中を良くしようというピュアな思いがあるはず。何とも危うい今の日本に一番必要なのはそれ! 結果としてそれが、最大の改革となるのではないかと考えたわけです。

一番やりたいことが、「過酷な仕事への対価がきちんとなされていない介護士などの収入を上げること」、と言ったのは、やはりいい人の発想だったと感じたし、拉致問題は「私の手で必ず解決する」と語ったその言葉のストレートさにもいい人を感じたもの。

石原氏の起用も、派閥を強化したいとの下心が見え見えという説もある一方で、自分が損することを覚悟で、じつは悪い奴じゃないんだよねという意味でかけた恩情にも見えます。情に流されがちな「いい人」が犯しがちなミスだけれども、百歩譲ってそういうことまで含め、久しぶりにちょっと信じてみたい人だと感じたのです。

ちなみに岸田さん、飲食する店も極めて庶民的なお店ばかりだとの噂も。その辺りからも、“普通のいい人”であることがしのばれます。