バイアスを指摘することによって生まれるもう一つの価値

 

私自身、「女なのに」「●歳なのに」という条件つきで何かを言われたとき、人々の粘着的なバイアスを感じてゾッとすることがあります。

 

そしてそんなバイアスを外すのは、ケイコさんが娘さんにされたように、「バイアスを見つけたときに逃げずに修正する」ことの積み重ねでしかないのでしょう。

こっそり忍ばされたバイアスに気づかず喜んでいる人に「ちょっと待って」と声をかけるのは、心苦しいこともあるかもしれません。しかし見方によっては、その声かけにより、褒められた人の行為は二重に価値をもつことになるのではないでしょうか。

娘さんが勉強を頑張ったことは、なんの条件もつける必要がなく価値のあることです。そして娘さんが、「性別と学力を関係づけるのはジェンダー・バイアスだ」と学ぶきっかけになりました。

ジェンダー・バイアスは無意識に持ってしまいがちなので、一人一人の日々の発言・行動から草の根レベルで変えていかなければなりません。ケイコさんが娘さんにきちんと向き合ったことで、娘さんの今後の振る舞いは変化するでしょうし、そのことは娘さんのお友だちにもいい影響をもたらすことでしょう。

「女子なのにすごい!」と無邪気に言った男の子の身近にも、「それはおかしいよ」と声をかけてくれる大人がいてくれればいいなと願っています。
 

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構成・文/梅津 奏


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