患者IDが入ったリストバンドを外して、いざ退院!


そうこうするうちに、退院まで残り1週間を切りました。目の前に退院日が近づいてくると、妙に時間が経つのが遅く感じる……。多くの入院仲間たちも、次々と退院していきます。

いつも入院&リハビリ仕様のパジャマやジャージ、スパッツ姿などの患者さんたちが、私服で退院していくときの「幸せオーラ」ときたら! うっすらメイクなんかしちゃって、本当にうれしそうなのです。退院が近づくと、「退院用のおしゃれ着」をベッド脇に吊るして、日々眺めているオバさまもいました。

しかもコロナ禍まっさかりの折、病室に家族が訪れることもありません。退院の日に初めて、入院仲間の旦那さんやお子さんにご挨拶できる始末。これまで寝食や苦楽をともにしてきたのに、なんとも不思議な感じです。

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退院の朝、最後のヨーグルト。左手でカップを持ち、なんとか右手でスプーンを持って口に運べるようになった。納豆をかき混ぜるのは、まだまだ大変。ちなみに、スマホの自撮りもめちゃくちゃ大変。
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入院と同時に腕に装着された、患者番号と名前、バーコードが記載されたリストバンド。退院の朝、ようやく取り外せます!

朝食が終わったら、お迎え時間の9時はもうすぐです。夫は仕事、子どもたちは学校だったため、母が迎えにきてくれました。

荷物は台車に乗せて1回で運べる程度。5ヶ月間にわたる入院生活は、ついに終わりを迎えたのです。長かったような、過ぎてしまえばあっという間だったような……。

でもすべては、ここから日常生活に戻っていくための入院生活でした。

不器用な左手と動きにくい右手&右脚での「いつもの生活」が、いよいよはじまります。


>>次回は、5ヶ月ぶりの帰宅!家族との再会をレポートします。
 


文/萩原はるな
写真/萩原はるな、Shutterstock
構成/宮島麻衣

 

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