今やこうしたメディア戦略が当たり前となり、ヨーロッパの王室では積極的にSNSでの発信が行われています。日本でもそれに倣うということでしょうが、その背景には既存メディアや市民のネットへの書き込みによって、皇室に対する中傷や虚偽情報が広がることへの危機感があると報じられています。皇室が報道機関を介さずに直接国内外に向けて情報発信することによって、信頼を回復する狙いがあるというのですね。

写真:shutterstock

現代では、ロイヤルファミリーの存在意義は見えにくくなっています。英国王室に対しては、かつて世界各地を植民地化し、今もなおその負の影響が残っていることへの責任を問う声が絶えません。激しい格差と分断に悩む国内でも「莫大な私有財産と生まれながらの特権を持つ王室の存在は、法のもとに平等であるはずの人間に貴賎をつけ階級化するものだ」という批判が一層説得力を帯びています。若い世代では、王室は不要だと考える人が多数派です。一方で、時の政権の方針に左右されない王室外交の重要性や、約3000もの慈善団体への長年の支援を評価する声もあり、今後の王室のあり方が注目されています。