ヘンリー王子と出会ってファッションが変わった


ところがヘンリー王子と出会って以降は明らかにファッションが変わってきます。まず、それ以前に比較的カラフルだった色使いにモノトーンが目立って多くなる。ファッションの傾向もクールでシックな装いが増えてくるのです。

2017年、婚約発表を発表した2人。写真:The Mega Agency/アフロ

うがった見方をすれば、それは偶然か必然か上昇志向が恐ろしく功を奏し、想像もつかない地位に近づいていることで、“成功を狙う女優”から、人も羨むプリンセスたる“上質で品格ある女性“へ、明らかに自覚のモードが変わったことの表れではないでしょうか。


やがて、ヘンリー王子との婚約中、結婚後と、スタイリストの功績でもあるのでしょうが、既成の王室ファッションとは一味違う、極めて垢抜けたシックなファッションを見せています。

 

それをおそらくは世界中が評価していたはず。さすがは元女優、出るところに出れば、ちゃんと王室メンバーに見えるノーブルでエレガントなファッションができるのだというふうに。それどころか、モノトーンやベージュといったシックな色使いが、逆にニューヨーク仕込みのキャリアを感じさせるクールで知的な装い、と感心していたもの。

ところがそれについてもメーガン妃は、Netflixのドキュメンタリー番組で、まるで“地味な服しか着ることができなかった“という不満を述べるように、次のように語っているのです。
「公務の際に女王陛下と同じ色の服を着ることはできません。先輩にあたるシニアメンバーと色がかぶるのもダメ。『ほかの人たちが選ばない色はどれだろう』と考えました。だからキャメル、ベージュ、ホワイトと、落ち着いたトーンの色の服をたくさん着ましたが、それは王室に溶け込むため。目立たないようにしていました。この家族の一員として、馴染むために全力を尽くすのみでした」

でもそれは、王室に嫁いだばかりの新人の妃として当然のこと。逆にそれが自らの好感度を高める結果となったというのに。

しかもその当時、キャサリン妃とはケタが違うほどの膨大な衣装代を指摘され、当時のチャールズ皇太子を怒らせ、大バッシングを受けていたのは皮肉な話。誰もが羨む環境にありながら、贅を尽くしたワードローブにまで不満を持っていたとしたら、英国民はどれだけやるせない気持ちになるのか……。