また、別のベクトルで保守的だな〜と思ったのは、イタリア人。フランス語語学学生時代、クラスにイタリア人が数人いたのですが、彼らが皆「いつもイタリアンを食べている」「マンマのご飯しか食べたくない」と言うのに驚愕。ここフランスも、美食の国と言われているんですよ〜?! と言いたくなったほどですが、イタリア人は自分の国のものが一番美味しいと信じて疑わないからこそ、他のものに興味がない様子でした。

 

そういった隣国に比べると、フランス人の食に対する姿勢はすごく日本人に似ているなあと思うのです。農業国だからなのか、元からの気質なのか、美味しいものへの探究心がある。

実際、フランスでは新しい食材として日本由来のものがすごく増えています。海苔やお醤油は今やどこのスーパーにもありますし、柚子、水菜、日本かぼちゃ、なめこといった野菜や果物も買えるように(その名もYuzu、Mizuna、Kabocha、Nameko)。以前、柚子もなめこも日本から持ち帰ってきていた私としては、もはや涙もの!

マルシェで見つけた、Miyagawaなるミカン。宮川? 宮川さんのおうちのミカン? と、つい二度見しました。買ってみたら、確かにミカンぽい味でした!

日本食材屋さんでも、よくフランス人を見かけます。ある時、店員さんに「日本のレシピに載っていた片栗粉ってものが欲しいんだけれど、扱ってない?」と尋ねているおじさんを見かけました。店員さんに「ない」と言われてガックリしていたので、「スーパーで売っているféculeは片栗粉と同じに使えますよ」とお伝えしてみたところ、おじさん「ええっ、そうなの?!」と大喜び。竜田揚げなのか唐揚げなのか、何を作りたかったのかはわかりませんが(聞けばよかった!)、わざわざ日本のレシピを再現しようとするおじさんの意欲に感服しました。