女性の更年期は期間限定。男性の更年期はいつでも起こる可能性がある

 

女性と男性の更年期障害は発症パターンに違いがあります。

女性は50歳前後で閉経を迎えると、女性ホルモンが急激に減少します。短期間に乱高下しながら低下していくためとても体調が乱れます。それでも、約3分の1の人は何の症状もなく還暦を迎え、3分の1の人はなんとなくの体調不良に見舞われる程度で、医師の治療を必要としません。症状が強く、医師の治療が本当に必要な更年期障害に見舞われる人は残りの3分の1とされています。

男性の更年期は、男性ホルモンであるテストステロンが加齢とともにゆっくりと減り続けていくことで起こります。個人差が大きいので、症状もバラつきが大きいのが特徴です。平均的には50歳以降から症状が出る人が多いと言われていますが、40代でもテストステロンが激減する方や70代になってもテストステロン値を維持している方もいます。

 

男女の更年期の違いをざっくりとたとえるならこうです。

熱湯に放り込まれて「熱っ!」と反応して飛び出せるのが女性。ぬるま湯に浸かっていて徐々に温められ、知らぬ間にのぼせてしまうのが男性。男性は自覚しにくいだけに、病院に足を運ぶ人が少ないのが問題です。

また、男女共に年齢に関係なく強いストレスがかかると、「性ホルモンを分泌せよ!」という脳から性腺(精巣や卵巣)への指令系統にエラーが発生します。女性なら生理が止まってしまったり、男性でもテストステロンの急降下により性欲低下やEDが起こります。さらに男女とも全身の倦怠感や抑うつなどの精神症状も表れます。

ただし、ちょうどいい男性ホルモン、女性ホルモンの値というのは一概に断定ができません。遺伝や年齢などによって個人差があります。ちょうどいいホルモン値というのは意外と難しいのです。

たとえ性ホルモンが減っても、トラブルなく生活できていれば問題ありません。男女共に若い頃にテストステロン値が高くアグレッシブだった方は、自身のピーク時より下がってしまうと、たとえ平均値以上にホルモン値があっても更年期症状で悩むケースがあります。