無理せず、しなやかに体を鍛える。転倒予防の大切さ。


大崎:ウォーキングや太極拳を通じて、健康になったという実感がありますし、やはり、「健康長寿」でいたいんです。実は以前、2回ほど転んだことがありまして……。骨折も経験したので、ウォーキングの時はショルダーバッグにして、両手を開けておくようにしています。靴も自分に合うものをお店で選んでもらって、転倒予防には気をつけていますね。

写真:林ひろし

山田:なるほど、とても大切なポイントです。「転倒してしまう理由は1つ」と考えてしまいがちなのですが、実際は色々なことが重なって「転倒」が起こってしまいます。お話しいただいたように、靴や自分の持ち物を見直されてみたり、広い視野で工夫されているところが、次の「転ぶ」を防いでいるのではないでしょうか。

また、一度転ばれてしまった方は、6割程度の方が活動を減らしてしまう、ということが報告されています。ですが大崎さんの場合、転ばれても太極拳を続けられている、ということが、やはり次の転倒を防ぐことに繋がっているのではないか、と思いました。

 

大崎:転んでも、治るのを待ってやっていますから! 

編集:仕事を言い訳にして、運動があまり続かないので、見習いたいことばかりです……。そういえば、大崎さんは「白内障」の手術も経験されているんですよね。先日の「医者のいらないラジオ」でも取り扱ったテーマなのですが、見え方は変わりましたか?

大崎:変わりましたね。もう世の中が明るくて明るくて。スマートフォンも眼鏡なしで見ますよ。

写真:林ひろし

山田:私は眼鏡がないと、スマートフォンは見えません(笑)。目は、情報のアンテナとして働いているので、体のバランスをつかさどる上でも、転倒予防という意味でも、とても大切ですよね。

大崎:ところで、先生に質問があるんです。私は以前から、一日8000歩を目標に歩いていたんですけれどね。最近は暑いですし、90歳になりましたし、少し歩数を減らそうと思っているんです。

山田:なるほど。大崎さんの場合、ウォーキングだけではなく、太極拳もやられていますよね。ウォーキングだけやられている方の場合は8000歩でもよいかと思いますが、少し歩数が多いなと感じたら無理せずに減らす、という対応はすごくよいと思いますよ。

大崎:ありがとうございます。では、ちょっと歩数を減らしてみますね。

山田:大崎さんは、ご自身で体の声を聞かれて無理もされないですし、変化にしなやかな姿勢がとても印象的ですね。

大崎:なんでもやってみたいんです。変化もいいことかな、と思っていますね。