ほ、ほら、なんだかんだ、大人の世界は数字って大事だから……。初動の数字がいいと、これは反響が良さそうだってエラい大人もやる気になったりするしね……。そしたら、僕の食卓も副菜が1品増えるかもしれません。化粧水が極潤から極潤プレミアムになるかもしれません。なによりこれからも書き続ける励みになります。

発売に向けて精一杯頑張っていきますので、温かいご声援の程、よろしくお願いいたします!

 


さらにもうひとつ大切なお知らせです
 

書籍化に伴い、こちらの連載もシーズン2がスタートとなります。約半年のお休み期間の間、なにが変わったかというと特に変わったことはありません。強いて言うなら、坂口健太郎と高杉真宙のCMに惹かれて、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』を買ったくらいです。

と言うものの、『ゼルダの伝説』をやったこともなければ、Nintendo Switchもほとんどさわったことがないので、遊び方がまったくわかりません。とりあえず崖から落ちて死に、湖で溺れて死に、焚き火が引火して死にました。焼死、溺死、転落死です。『金田一少年の事件簿』が引くレベルで死に方がむごい。『ゼルダの伝説』ってこんなおっかないゲームなの???

 

あとは相変わらず今日も自分が嫌いだなあと思って生きています。

そもそもこんな自分嫌い人間がエッセイを書くこと自体、大いなる自己矛盾。エッセイとは、基本的に自分のことを書きます。自分が好きな人からすると、自己顕示欲を満たす絶好の場かもしれませんが、自分が嫌いな僕からすると、剣山の上でタップダンスを踊るようなもの。

掘れば掘るほど、どんどん出てくる自分の嫌なところ。それらと向き合い、なぜそういう心理状態になったのかを自己分析する。自分の嫌なところや恥ずかしいところと向き合うたび、ますます自分のことが情けなく思えてきます。

書籍化にあたり、1ヶ月くらい家に引きこもっていましたが、1行書くごとに「なんだこのクソ野郎」と自分で自分を罵倒したくなる。書く→「なんだこのクソ野郎」→書く→「なんだこのクソ野郎」の繰り返しです。

ただ、そうは言ってもまだ書けるうちは無問題。大変なのは、そのうち書くことさえなくなることです。

こんな地味でつまらない僕の日常や所感を書いたところで、誰が興味があるというのか。世の中に物を申したいタイプでもないので、僕の日々のどこを切り取ってコンテンツにすればいいのか皆目見当もつかない。

1行書くごとに「一体どこに需要が……?」とうめき声が上がる。書く→「なんだこのクソ野郎」→「一体どこに需要が……?」→書く→「なんだこのクソ野郎」→「一体どこに需要が……?」の繰り返し。情緒が忙しすぎて人格分裂を起こしそう。もはやある種の拷問か羞恥プレイというレベルです。

というか、無事書き上げた今ですら「本当に需要があるのだろうか……?」と若干ビクビクしております。この不安を打ち消してくれるのは、読者のみなさんの反響しかありません。

「ここに、需要が、あります!!!(クソデカボイス)」と言わんばかりに、ぜひご予約をいただけると、小心者の僕が大手を振って9月29日の発売日を迎えられそうです。
 

イラスト/millitsuka
構成/山崎 恵
 

 

 

前回記事「「自己肯定感の低い僕が、それでも幸せになるために必要なこと」仕事トラブルで心身ダウン...その経験から行き着いた答えは」はこちら>>

 
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