短納期、電話対応…「断る仕事」を事前に決めておく


――先ほど作業量のお話がありましたが、納期や締め切りはどのように工夫されていますか? 高度なお仕事も受けていらっしゃるので、スピード感を求められるケースはどうしても出てくるのではないでしょうか。

山本 仕事の依頼を受けるときは、納期が極端に短いもの、納期が短縮される可能性があるものはお受けできません、と事前にクライアントにお伝えしています。これは、私たちが十分なクオリティを担保するためにも決めている基準です。ただ、メンバーたちに納期をどう伝えるかは、各チームのマネージャーに任せていて。納期から逆算して作業を組み立てるメンバーもいれば、納期に関係なく“1日これだけやる”と決めた方が仕事が捗るメンバーもいます。なので、納期の伝え方も個別にカスタマイズして共有するようにしています。

――予め「断る仕事」を決めておく、というのも御社の記事で拝見しました。例えば、電話対応、急ぎの仕事などを挙げていましたが、そうした、メンバーにとって「苦手」なことの判断は、本人との話し合いで決めていくのですか?

 

山本 話し合いというより、日常的なコミュニケーションですね。日報や実際の業務を見ていて、この業務はすごくスムーズだから得意なんだろうなとか。これはちょっと滞りがちだから、あまり得意じゃないのかなとか。本人が気づかない得手・不得手もあるので、日々の声掛けの中で本人の意識を把握している感じです。

もちろん、苦手を避けるだけじゃなくて、メンバーがチャレンジしたいことにも重きを置いています。マネージャーと面談をして、今の業務をどう思っているのか、何かやってみたいことがあるのか。マネージャーには言えないけれど、私には言える場合もあるので、いろんなコミュニケーションのチャンネルを作るようにしています。マネージャーや私に加え、社外の心理カウンセラーにも入ってもらっていて、多方向から本人のコンディションと意欲を吸い上げるような体制にしています。