「自分は悪くない。相手が悪い」で終わらせてしまう


トラブルメーカーの人は、悪いことが起こっても、「自分のせいではない。相手が悪いのだ」という結論を持って終わらせてしまうことが多い。
だから、反省をして、自分を変えようとしないどころか、そんな行動をした自分を肯定するために、また同じ言動をしてしまい、トラブルを大きくしてしまうことも少なくありません。
また、人に謝ることができず、場合によっては、音信不通にして自分の責任から逃げてしまうので、信頼を失ってしまうことが多いのです。

なぜ、そんな生きにくくなるようなことをしてしまうのかというと、「自分の非を認めること」を恐れているからです。
「自分が悪かった」と思ってしまうと、そんな自己を受け止められなくなり、責め続けて辛い思いをしてしまいます。

自己嫌悪が一番、自分を苦しめます。人から何を言われても、受け取らなければいいだけですが、自分嫌悪はダイレクトに自分を攻撃するからです。
だから、その苦しみから逃れるためにも、自分の非は認められません。もちろん、心のどこかでは、自分が悪いことを分かっているのでしょうが……。

そういうタイプは、「自己肯定感が低いこと」が少なくありません。自尊心が不足しているので、「どんなにカッコ悪い自分でも受け止め、反省して、成長すればいい」と思える心の強さが足りていないのです。

 


反省しても、同じ失敗を繰り返す人もいる理由


実は、トラブルメーカーの中には、「自分が悪かったと認め、反省し、改善を試みる人」もいます。
でも、そういう人は、“テクニック”で自己を改善しようとしがちです。たとえば、「今度からはメールだけでなく、電話もするようにしよう」とか、「きちんと報告、連絡、相談をしよう」とか。

もちろんテクニックで改善されることもあるのですが、実は、多くのトラブルは、「その人の“内面の問題”から起こす行動が原因であること」も少なくないのです。
だから、根本的な部分(内面)から変えていないと、また違う形でトラブルを起こしてしまうことが多いのです。

内面からの改善が大事


「“なにか”をしたから(もしくは、しなかったから)、トラブルが起こった」のだから、その「トラブルになるようなことをしなければいいんだ(もしくは、トラブルを回避することをすればいいんだ)」という発想では、まだ「浅い」ところがあります。

たとえば、不安を抱きやすい人は、悪いことばかりを想定してトラブルを起こしやすかったり、自己肯定感が低い人は、自分が傷つかないような行動ばかりをとってトラブルを招いたり、人間不信の人は、人を信じないような言動で信頼関係を失ったりしがち。
それは、“テクニック”だけでは補えないところがあるのです。「心の在り方」によって、言動が決まってくるからです。

たとえば、恋愛において、自分に自信がなく、不安を抱きやすい人が、何度も恋人の浮気を疑い、連絡をし過ぎて失敗してしまったとします。
そんな人が、「連絡すること」を控えたとしても、根本的に自信を持つようにしない限り、別の方法で不安を払拭しようとして、相手を不愉快な思いにさせてしまうことはあるでしょう。

自己の内面を見つめ、いいところも悪いところも受け止め、改善していく作業は、心がヒリヒリするものです。だからこそ、そこから逃げている大人は少なくありません。
でも、それをクリアしない限り、言動の根本になる「内面」が変わらないので、トラブルを起こし続けてしまう可能性は高いのです。

そんな“内面から改善しようとしないタイプのトラブルメーカー”が多いのは、現代に溢れている「ノウハウ情報」にも原因があるのかもしれません。次のページで紹介します。