6割以上が「周囲に責められるのでは」と不安を感じている

——他にも、子育て中のママを取り巻く環境について、社会の「寛容性の低さ」を感じさせる結果もありましたよね。

羽生:子どもが泣いたり騒いだりして、周囲から責められるのではないかと不安になることがある、と答えた方が6割以上。この結果を見たとき、正直「やっぱりな」と感じましたし、3〜4割では済まないだろうなと予測はしていました。

【参考】公共の場で、自分の子どもが泣いたり、騒いだりした際、周囲から責められるのではないかと不安になりますか?(n=999)

出所:「包摂性社会の再構築と少子化対策としての健康問題の重要性」2023年調査レポート(内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム)

川良:羽生さんは、子連れで歩いていて、舌打ちされたこととかありますか。

羽生:あるある、すごいありますよ。今は娘が17歳、息子が15歳なので、私は卒ママに近い立場ですが、まだ子どもたちが小さかったときに。それに街に出てみると、「同じように子育てを経験してきたはずなのに、なんでそんなに子連れに冷たいの?」「あんなにつらい思いをしていたのに、もう忘れたの?」という卒ママらしき人たちを見かけて、モヤモヤすることも。喉元過ぎれば……ということなのかなぁ。

 


約半数が「孤立」を感じているけれど…声がけの難しさ

川良:あるブログを読んだときに、「自分が子育て中にすごく嫌な思いをしたから、ママさんを助けてあげたいんだけど、どうやって声をかけたらいいかわからなくて、ただ見つめるだけだった」と綴られていて。続けて、「振り返ったママさんからしてみたら、私が睨んでいたと思ったかもしれない。どうしてあのとき、『大丈夫だよ』って声をかけてあげなかったんだろう」と書いてあったんです。

【参考】自分は他の人たちから孤立していると感じていることはありますか(n=999)

出所:「包摂性社会の再構築と少子化対策としての健康問題の重要性」2023年調査レポート(内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム)

川良:子連れで外出していると、舌打ちまではされなくても、何か「視線が痛い」みたいなことってあると思うんです。でも、そのブログに綴られていたように、実は心配していたり、「大丈夫だよ」と声をかけたい人もいるかもしれない。ただ、どう表明していいかわからないだけで。だから、寛容なムードを作ることって、結構意識的に努力してやっていかないと難しいですよね。