なぜかというと、もともとリノベーションは、性質的にも予算がフィックスしづらいもの。ざっくり「1000万円で」と希望を出しても、物件の条件やリノベーションの内容によって上振れすることもしばしばあります。とはいえ、正確な見積もりが出るのは当然のことながら物件が決まった後。その段になって提示された見積もりが思ったより高くても、物件選びから一緒にやっていると今さら他社への相見積もりもとりづらく、多少高くてもその見積もりを受け入れざるを得ない状況になりがちです。

僕の場合もそうでした。もともと最初の説明の段階で、自分のやりたいリノベーションの内容と、希望する物件の広さを伝え、それなら1000万の予算で可能という話を聞いたから、その業者にお願いをしました。

けれど、いざ物件が決まって、リノベーションの見積もりをお願いすると、その金額は1300万円。また、デザイナーさんから提案してもらったプランにしっくり感がなかったのも、正直かなり引っかかるところでした。

が、物件選びに時間がかかったため、すでにこの時点でその業者とは1年半近いお付き合いに。ここから新しい業者にお願いするのも気が引けたし、そもそもワンストップということもあり、この段階から他社に見積もりをお願いしていいのかもちょっとよくわからなかった。結果、多少プランの見直しをしつつも、リノベ費用だけで1200万円と予算よりも高い金額になってしまいました。

写真:Shutterstock

僕の購入したマンションの広さは35㎡。後々調べたら、その広さで1200万円のリノベ費用はかなり高いなんて声もあり、正直、値段に対する納得感は低め。安ければいいものではないことはわかっているけれど、一生に一度の買い物だからこそ、金額の納得感は大事。そういう意味では、やや不満の残る買い物になりました。

もちろんワンストップだからこそ、リノベの段階になって1から説明しなくてもやりたいことをわかってくれているというメリットもあるかもしれません。が、物件選びとリノベで担当者が変わるので、そのメリットもさほど感じられず。

だから、もしいつかまた中古マンションを買ってリノベーションをするなら、次はワンストップサービスは利用せず、物件選びとリノベーションで業者は分けて考えると思います。多少の仲介手数料のサービスはあるかもしれませんが、マンション自体はどこの業者で買っても金額は同じ。予算や提案内容の差が分かれるのは、リノベのほうです。だから、リノベに関してはしっかり複数の業者から話を聞いた上でどこにお願いするか決めたほうがいい。

もしもタイムリープができるなら、「なんとなくのノリで業者を決めるんじゃない!」とあの日の自分に言ってあげたいです。

 
 

『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』
講談社・刊 1430円(税込)
※電子書籍は、書き下ろしのおまけエッセイ付き。

Amazonはこちら>>
楽天ブックスはこちら>>

生きづらさを抱える人たちから、共感の声多数! “推し本”著者による人気連載が書籍化。

本屋に行けば「自己肯定感」をテーマにした書籍がずらりと並ぶ昨今。
でも、実際に自己肯定感の低さで悩む人にとっては、自分を愛することの大切さは理解しつつ「そんな簡単に好きになれてたら苦労しないよ…」というのもまた偽らざる本音でしょう。

本書では、自分が嫌いなことには誰にも負けない自信のある(?)著者が、

◆「自分嫌い」を決定づけた、幼い頃からのコンプレックスや苦い経験の数々
◆大人になって日々直面する“自己肯定感が低い人あるある”
◆自分を好きになりたくて、“自分磨き”で試行錯誤した日々
◆そして辿り着いた「これ以上、自分が傷つかないための方法」

を、面白おかしく、ときに切なさも交えて綴ります。

自分のことが好きになれなくても、人に優しくすることはできるし、幸せにもなれるはず。「なりたいものになれなかった」「誰にも選ばれなかった」そんな自分と、折り合いをつけられずにしんどさを抱える人たちの背中に、そっと手を添える一冊です。


構成/山崎 恵
 

 

前回記事「“ローン組めない”フリーランスが中古マンション購入!実際の審査で判明した「意外なネックポイント」とは」>>

 
  • 1
  • 2