柳田:そうなんです。近年子宮内膜症の患者数が増えている背景には、欧米的な食生活が関係している可能性があると言われてはいますが、はっきりと証明はされていません。脂質が少ない食事にすればなりにくい、日頃から運動を行えばなりにくいなど、言い切れるほどにはわかっていないのが現状ですね。

 

宮島:先生、がんのように「遺伝」は関係しますか? 祖母や母親など身内に子宮内膜症に罹った人がいると、なりやすいから気をつけた方がいい、とか……。

柳田:「遺伝的な要因はある」とする見方もないわけではありませんが、こちらもはっきりしていません。私が携わる婦人科の現場では、子宮内膜症に「遺伝的要因はない」と考えるのが一般的です。

 

宮島:うーん、そう考えると子宮内膜症って、まだわかっていないことも多い病気なんですね。

柳田:とはいえ、ちゃんと見つけてしっかり治療すれば確実によくなる病気ですから、必要以上に怖がらなくて大丈夫ですよ。残念ながら現時点では子宮内膜症の予防のためにできる効果的な方法はありませんが、正しい食事や規則正しい生活を保つことはもちろん重要ですので、気をつけるに越したことはないです。

宮島:40代になると女性の体は少しずつ変化していくので、自分の体を整える、自分の体と会話する時間を増やしていくのが良さそうですね。

柳田:おっしゃる通りです。女性は一般的に45歳くらいから更年期の症状が出はじめて、平均50歳くらいで閉経を迎えます。その一方で、40代は仕事、家庭、育児などでとても忙しい時期ですよね。生理痛などはあって当たり前、自分が我慢すれば問題ない、と自分のことは二の次になり、身体のケアが不十分になる方も多い。大したことない症状だとしても、原因がわからなければ不安な気持ちも募るものです。そんな時は婦人科を受診することで、日々の生活が大きく改善する可能性があります。


柳田聡 Satoshi Yanagida
東京国際大堀病院 婦人科 副部長。医学博士。東京慈恵会医科大学 産婦人科医、講師を経て現職へ。婦人科腫瘍・女性医学が専門。根拠と優しさをモットーに、女性のライフステージに合った診療を心がけ、患者一人ひとりと向き合う。

宮島咲良 Sakura Miyajima
1983年11月9日生まれ。東京都出身。ワタナベエンターテインメント所属。大学卒業後の2007年、アナウンサーとして九州朝日放送に入社。2010年に同社を退社し、フリーアナウンサーに転身。また、アナウンサーの枠を超えて幅広く活躍。2011年に『ザ・デッド・エンド』で舞台に初出演。2014年には、テレビアニメ「くつだる。」のテーマ曲で歌手デビューを果たす。戦隊もののファンで、スーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の挿入歌なども担当した。現在は、BS11「BSイレブン競馬中継」、ニッポン放送「天野ひろゆき ルート930」、MBSラジオ「増田貴久・中丸雄一のますまるラジオ」など幅広く出演中。
Twitter:宮島咲良=ぼっち戦隊ミヤジマン(@sakura1109m
Instagram(sakura_miyajiman


撮影/塚田亮平
取材・文/金澤英恵
構成/山崎恵

 

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