ミモレ読者のみなさん、こんにちは!
おかげ様で、先月末に発売された書籍『母とヨーロッパへ行く』、ミモレ読者の方々にもお読みいただいているようで、どうもありがとうございます!
今回は、前回に引き続きフランス・アルザスとドイツ・ハイデルベルクの旅のお話をしたいと思います。

今回、最終日の飛行機が夜の便だったので、ホテルに荷物を預けたままハイデルベルクの旧市街地をぷらぷらと歩いて、お茶をしたり買い物をしたりする予定でした。しかし、母の体力的な疲れと(気持ちは元気なのだけれど)、歩くと膝が少しずつ痛みを伴うようになってきたということで予定を変更することに。さて、どう過ごそうかと思ったとき、まっさきに浮かんだのがリバークルーズ。じつは、前半に滞在していたストラスブールでも市内を流れるイル川の遊覧船に1時間ほどのりました。日本語のヘッドフォンガイドがついていて、ストラスブールの戦争の悲しい歴史、そしてEUの中核の街としての新しい取り組みをよく理解することができて、とても満足度の高いものでした。

こちらがストラスブール、イル川の船から。ストラスブールならではの木組みの街並みも楽しめます。

ハイデルベルクにはライン川支流のネッカー川という素敵な川が流れているのです。ライン川をはじめとして、ドイツの川にはほとんど堤防というものがなく、日本のコンクリートの堤防で固められた川を見慣れている私たちには本当に新鮮でした。堤防がないということは、自然のままの姿であるということ。その風光明媚な川岸の景色を眺めながら3時間、時々山の上にぽつんぽつんと見える古城に感嘆の声をあげる私たちをのせて、ゆるゆると遊覧船は進んで行きます。船内で買ったソーセージとスープで軽いランチをし、ゆったりした気持ちで今回の旅を振り返ったり、旅行を終えるさびしさをしみじみ味わったり、なんともいえない温かな気持ちですごすことができました。

ネッカー川から臨むハイデルベルク城。船からはこうした風光明媚な景色がずっと続きます。

リバークルーズのゆるゆるした感じを体感できましたら!(本当にゆるい、です。笑)

母でも自分でも、疲れていてあまり動きたくないとき、もし目的地に川があったならリバークルーズをぜひともおすすめします。特に旅の最終日。飛行機が遅い時間の場合は、疲れることなくとても有意義な時間をすごせます。ちなみに、ストラスブールのイル川は約1時間10分くらいで11ユーロ。ハイデルベルクのネッカー川は3時間で14ユーロ。これもほどよい金額ではないでしょうか。

今回のように、いざ行ってみると、母の体力が前より少し落ちているなと気がついて予定変更する場面がちょくちょくあります。日本にいるときは、私も仕事で忙しいので、一緒に過ごしたりする時間は限られているし、もちろんじっくり母を観察したりすることは、ほぼありません(したらいいのですけれどね~苦笑)。だから、少し悲しいけれど、旅は母の「老い」に気づく場でもあるのです。

どうもありがとうございました!

ミモレで16回ほど連載させてもらって、ありがたいことにたくさんの方からコメントをいただきました。その中には、お母様を亡くされていて、かつてのご自分達に当てはめて見てくださっている方や、お母様の認知症のお世話をしながらこの連載を楽しみにしてくださる方などもいらっしゃいました。胸が締めつけられるような気持ちになるのと同時に、母が元気で、さらに一緒に旅行して喜ぶ姿が見られるなんて自分はありがたい環境にいるのだなとあらためて気づかせていただきました。
ですので、みなさん、これから母娘旅のチャンスがある方は、ぜひ旅に出かけてくださいね。そう、お父様とご一緒でも!(笑)

さて、今回またミモレで番外編を書くことができて、思い残すことはございません(笑)。皆さんと、どこかで(ヨーロッパかな!?)お会いできることを楽しみにしております。

 

『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』

太田篤子 著 11月22日発売 講談社刊 144ページ 1400円(税別)

高齢の母とストレスなく、コスパよく、母も自分も楽しい旅にするには? 飛行機やホテル予約のポイント、ちょうどいいファッション、体調管理のための持ちもの、予定の立て方―――また行きたくなる旅プランと安心に旅するコツもご紹介します。

 
 

持って行ってよかったおすすめの持ちもの、ホテルの検索の方法、ホテルへ直接予約するときのメール例なども載っています。楽しく安全な母娘旅のためにお役立てくださいませ。

 

第1回「母は旅のベストパートナー?」はこちら>>
第2回「今こそヨーロッパの田舎へ」はこちら>>
第3回「ホテル選びに最大限の情熱を!」はこちら>>
第4回「眺めのいい部屋でシャンパンを」はこちら>>
第5回「私がホテルに求めるもの」はこちら>>
第6回「母にとって、楽しかった旅の条件とは」はこちら>>
第7回「母との旅の食事問題」はこちら>>
第8回「旅のファッションについて①」はこちら>>
第9回「旅のファッションについて②」はこちら>>
第10回「旅のファッションについて③」はこちら>>
第11回「旅の交通手段について①」はこちら>>
第12回「旅の交通手段について②」はこちら>>
第13回「旅の交通手段について③」はこちら>>
第14回「お土産問題」はこちら>>
第15回「母との旅でいちばん大切なこと」はこちら>>
最終回「さて、どこへ旅しよう? ―――旅の目的地問題」はこちら>>
書籍出版記念①「旅をアップグレードできるお得なサイト」はこちら>>