家の中でもつねに人の往来があり、ものの出し入れが頻繁にある場所といえばキッチン。広くないスペースに、毎日使う食材、ストックしている食品、食器、 調理道具や保存容器など、形も大きさも異なるものが集まっています。「とりあえず……」で置いたままにしておくと、すぐに雑然としてしまう場所だからこそ、使用用途、頻度、保存方法の違いで収納場所を決めることが重要。生活感溢れる場所でもすっきりとした収納を実現するヒントをご紹介いたします。

 



収納テクニック①
スパイスは小さめ容器で回転を早く


凝れば凝るほど沼落ちするのがスパイスの世界。いつもと同じ素材なのに、スパイスの組み合わせでまったく味が変わったりするので、つい実験のように試してしまいます。そんなスパイスですが、メーカーによって容器はばらばら。同じものを買ってきてしまった、ということもよくありますよね。容器を入れ替えることで、被る心配もなく、見た目にも統一感が出ます。

ここでポイントなのが、「透明で小さめの容器」を選ぶということ。もともと分量が少ないので、大きめの容器に入れてしまうとスペースがもったいない。また、出し口に穴があるタイプの容器だと、粒子によって詰まってしまうということもよくあります。スパイスによって粒子の大きさは異なるので、間口には何もないタイプの方が使いやすいかと思います。
使用しているスパイス容器はIKEAのライタンスパイス瓶。言わずと知れたヒット商品ですよね。スパイス瓶としては間口が広いので、入れ替えにこぼす心配もないし、胡麻やとうがらし、ナッツなども収容可能で汎用性が高く重宝しています。

 
出し入れは、ハーゲンダッツのアイスに付いてくるスプーンを洗って使用。きちんと買うまでの仮として使っていたのですが、使い勝手がいいためもう何年もこのまま(笑)。
使ったものを1番前にして、日々列を変えていくスパイスたち。不動のセンターは大好きなクミン。
 


収納テクニック②
粉もの・調味料は残量が分かるクリア容器に


塩や砂糖、封を開けた粉ものは、袋のまま使い続けると、使うたびに開け締めしなくてはいけなく、面倒で使いづらいですよね。特に小麦粉などは、開閉のたびに粉が舞ったりし、周りも汚くなるので地味にストレス。調味料、粉ものは保存容器に入れ替えるのが断然おすすめです。容器にいれるだけで、驚くほど使い勝手がよくなるし、残量が把握しやすいので買い足しの際にも便利です。

 

粉もの・塩砂糖などの調味料に使用しているのは、整理収納アドバイザーさんの中でも絶大な支持を集める、タケヤのフレッシュロックシリーズ。これが家にあると「あ、整理収納好きなんだな」と分かるほどの鉄板アイテムです。サイズバリエーションが豊富なので、自分の家の収納に合わせて組み合わせられるところが魅力です。

【粉もの・調味料収納に愛用中!フレッシュロックシリーズ】

緑のパッキンのクリア容器がフレッシュロック。


使いやすさ① 四角い形状

軽量、丈夫、高気密、と機能的にも満足ですが、収納の観点から考えて嬉しいのが「四角い形状」ということ。形が四角いことで、隙間なく並べられ、無駄なく収まります。キッチンという限られたスペースだからこそ、少しのデッドも作りたくない、というユーザーの気持ちをきちんと汲み取ってくれるのは嬉しい。

使いやすさ② 開け口が広い


実際に料理の際に助かるのが「開け口が広い」ということ。フレッシュロックは手が入るくらいの広さなので、取り出しがすごく楽なんです。中身の入れ替えもしやすく、洗いやすい。開け口の広さが一回り小さかっただけでも、使い勝手は悪くなっただろうな、と思います。

使いやすさ③ 蓋の開け締めがラク


上の蓋が少し押すだけで閉まるので、乾物などは湿気ずに保存可能です。プッシュタイプの蓋は経年劣化とともに、はまりが悪くなるものが多いのですが、こちらは10年使っても変わらず使いやすい。ただ、完全密閉ではないので、開け閉めが多く、湿気が気になるものには乾燥剤も入れてみてもいいかと思います。

出汁をとるのにかかせない鰹節、昆布、乾燥椎茸も湿気なしで保存。
昆布は使う分をあらかじめカットして保存すると、調理の手間が省けます。
特に湿気が気になる食材はジャータイプの容器を使用。右からカシューナッツ、ウォールナッツ、海苔。海苔はおにぎりに使うことが多いので、あらかじめカットして保存しています。



収納テクニック③
ストック食材は無印+IKEAの収納アイテムでざっくり収納


形も大きさ、包装方法もばらばらな乾物・ストック食材は、細かく区分せずに大きくカテゴライズして収納したほうが持続しやすいです。というのも、乾物の収納は多種類に及ぶので、ひとつひとつ容器に中身を入れ替えたりすると、途方もなく時間がかかってしまい、家事時間を少しでも減らしたい人にとっては大きなストレスに。買ってきた袋のまま使う方が楽なものは、そのままざっくりと収納する方法をおすすめします。

きくらげ、大豆ミート、豆類など乾物や、ごまやスパイスのストックが収納している引き出し。


【乾物・ストック収納のポイント】


① 種類が多い乾物類は重ねるのはNG。見やすい立て収納

久しぶりに引き出しを掃除したら、奥から賞味期限切れの乾物や食材が、ということありませんか?(著者はあります……)使用頻度の高いものなら心配はありませんが、たまにしか使わない食材は、ついその存在を忘れがちですよね。「捨てる罪悪感はできるだけなくしたい」という人は、乾物やストック食材をできるだけ目のつくところに置いておくのがベター。立たせて収納することで、見やすくなりますし、また取り出しやすいので、料理中に探す時間も削減でき時短家事に繋がります。

乾物を立たせるために使用しているのは、無印良品の不織布仕切りケース。クローゼット用のものですが、柔らかい素材なので、引き出しや収納容器にバッグインバッグしやすい。

クローゼットだけではなく、キッチン収納にも大活躍の無印良品アイテム。
使用頻度の高いものから手間に収納し、あまり厳密な区切りをつけないように。


② 缶詰やお菓子は「ここに入るだけボックス」で管理

缶詰や調味料のストックは、使用品が切れた時にあると安心するものです。以前は収納スペースを取られるのが嫌で、ストック品はあまり持たないようにしていたのですが、ここ何年かの災害を経験して、常備品を持つ必要性を実感しました。災害用の食品は別に用意していますが、日常生活においても最低限の安心は持っておきたいな、とストックスペースを作るようにしました。しかし「もしものために」と買い出したら再現なく買ってしまいそうなので、「ここに入るだけ」として買う量を抑えています。

缶詰も「ここに入るだけ」。子ども用のおやつも「ここに入るだけ」。場所を決めてしまうと、そこから溢れるものは買わないようになるので、買い物の際のストッパーになってくれます。
左が缶詰や調味料ストック、右がお菓子ストック。

③ もらいものが多いお茶類は「すぐに飲む」習慣づけ

寒くなってくると途端に恋しくなる熱いお茶タイム。賞味期限が長いお茶葉はよくお土産にいただくことが多いアイテムですが、封を開けないまま引き出しの奥に入れてしまうと、その後ずっと日の目を見ない、ということも多いかと思います。著者もせっかくいただいたお茶の封を開けないまま、「これ、まだ大丈夫だよね?」と賞味期限を確認するということが多く……。いただきものは、すぐに飲んで、残りは保存容器に入れる。そう習慣にすると、そんな失敗が少なくなりました。​

茶葉タイプは茶筒に入れて目の付くところに保管。
パックタイプは、収納容器に立てて収納。キッチンにも大活躍の無印良品ポリプロピレンメイクボックス
左がお茶ボックス、左は乾物など。

 
 
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