すっきりきれいに暮らすためには、ものを収める箱が必要。「ものが片付かないのは収納が少ないから」と諦めている人もいるかもしれません。しかし、少しの工夫と閃きがあれば、限りある空間でも快適に暮らせることができます。今回は、35平米に家族3人で暮らす関川まおさんが実践している、「広くなくともすっきり暮らすテクニック」をご紹介いたします。

 

「前の家は55平米あったので、夫婦2人でかなり広々と暮らしていました。『子どもができて、わざわざ住まいの面積を狭める部屋に引っ越すなんて』とびっくりされますが、私たち夫婦の中では、部屋の広さよりも街や駅の雰囲気の方が重要。人の営みを肌で感じることができ、自分たちの生活と街の時間の流れが符号するような街が好きなんです。最初、35平米・1LDKの部屋での3人暮らしはさすがに広さが足りないとは思いました。しかしきちんと考えて暮らしを組み立てれば、『広さ』という選択肢は捨てられます。広くなく、何の変哲もないこの部屋は私の人生の中でも『過去最高難度の部屋』。ここをどう自分たちらしく変えていくのか。今はそのチャレンジの途中なんです」(まおさん)

模様替え前のまおさんのお部屋。限られた空間でもグリーンを飾ることで、空間が豊かに広がります。(撮影:まおさん)
模様替えした後。


【すっきりと暮らすコツ1】
背の低いものを選び、大型家具は1つのみ


「今の家に引っ越すと決まって、まず手放したのはソファーとダイニングテーブル。ソファーは2台処分、ダイニングテーブルは背の低いものに買い替えました。私はフリーランスですし、今は日によって夫もリモートで仕事をしているので、ダイニングテーブルは食事をとる以外にも大事なワークスペース。部屋の広さを考えると、どちらを残すかは明白でした。
また家にはテレビもありません。テレビを見る習慣があまりなく、動画やニュースはiPadなどのデジタルデバイスで十分。あって当たり前だと思っているものでも、よくよく考えると自分の生活にはそこまで必要ないものって結構ありますよね。住む家に合わせて、自分たちの生活に必要なものの優先順位をしっかり考えるようにしています」(まおさん)

広くない部屋でも圧迫感のない、ダイニングテーブル。食事、仕事、縫い物などの家事などはすべてここで行います。(撮影:まおさん)
ダイニングテーブルのある場所から見たキッチン前の風景。大型家具がないぶん確保できたたスペースで、リビングに作られた子どものプレイスペース。余計な家具を増やさないことで、赤ちゃんの安全対策にも。


【すっきりと暮らすコツ2
壁は棚で隠さず、余白を作ることで広々とした印象に


家を広く見せる色は、白などの薄い色。淡い色は開放感を与え、空間の余白を作ってくれます。壁に棚をつけないことで、部屋に入る日差しが白壁に反射し、明るい部屋になるとともに、空間に奥行を感じさせる効果があるんです。
また限られたスペースにさまざま色が溢れていると、気持ちが落ち着かないもの。まおさんは、ナチュラルカラーをベースに、濃い色をアクセントとして使用。ワントーンではなく、配色にメリハリを出すことにより、空間がより豊かに感じられます。

窓からの光を遮らないよう、棚をスケルトンにするのも大切なテクニック。(撮影:まおさん)



【すっきりと暮らすコツ3】
配線は一箇所に集め、使用場所を固定する


パソコンのバッテリーやルーター、スマホの充電など、部屋のいたるところに見える配線コードは、雑然とした印象を与え、せっかくのインテリアも台無しに。スペースがない場所では、物を散乱させないために、使用場所をあらかじめ決めておくことが重要です。まおさんは、部屋のテイストに合わせたアイテムを見つけ、上手にものをグルーピング。使用範囲の最小化を実践しています。
「パソコンの配線は楽天市場で見つけたケーブルボックスに集約しています。足元に置くことで目につきにくくなりますし、子どもが動けるようになったらいたずら防止にもなります。これを買ったことで、片付けの負担がぐっと減りました」(まおさん)

 
部屋全体の雰囲気を崩さないよう、木のテイストもそろえて。


「ルーターの収納はものすごく考えました。ルーターは床から1〜2mに置くのが適切。目立ちにくい床に置くと部屋全体に届かないし、かといって棚だと生活感が出てしまうし。そこで考えたのが籠のボックスを使って隠す方法です。普通に籠ボックスに入れると、上から見えてしまうので、籠を横に立てて使用しています。嬉しいことに棚の奥行と籠の高さがちょうど一緒!籠は家のインテリアに馴染むように、油性ニススプレーを使い自分で塗装しました」(まおさん)
密閉していないので、電子機器の熱もこもらず、定期的な掃除のしやすさも含め完璧な収納方法。試行錯誤して自分の家に合う収納方法を見つけ出す作業は、まさにクリエイテイブ!

 
籠を横に置き、底の面が前面となるように配置。



【すっきりと暮らすコツ4】
棚は増やさず、場所を取らないバッグを収納として活用


収納=棚、と考えると、ものが増える度にそれを収納する収納家具も増えがちに。しかし限られた床面積では棚がひとつ増えるだけで圧迫感が出てしまいます。まおさんは棚を増やさず、ミニマムな収納方法で空間の自由度を狭めず、機能的な暮らしを実現。
「細々としたものは、籠や布のバッグに入れて管理しています。持ち運びができるので、片付けも楽ですし、ゴールデンゾーン(腰〜胸までの取り入れしやすい場所)」ではない場所に置いても、まとめて取り出せるので動作に無理がありません」(まおさん)

ハンガーラックの下に置いても、取っ手があるから出し入れがスムーズ。
仕事に必要なものはすべてバッグに集約。まおさん用、パートナー用と、使う人によって分別。
キーボードも毎回収納することで、仕事モードのONとOFFもきっちりつけられる。
部屋にワークアウトグッズが転がっていると、少しだらしがない印象に。バッグ収納だと見た目も整然とし、使う場所にまとめて持っていけるので合理的。



35平米というスペースでも、工夫を凝らして、自分らしい暮らしの快適さを追求しているまおさん。「広くない」「収納スペースがない」という住居のウィークポイントも、自らのアイデアで攻略することで、自分のスタイルを表現することを楽しでいるように感じます。「心地よさ」とは与えられた条件ではなく、創り出すもの。そんな暮らし上手のコツ、是非お試しください。

取材・文/松田祐子
撮影/芝崎テツジ
構成/朏亜希子

 

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