高血圧は薬物療法でリスクを50%低減


薬を用いた薬物療法には、それぞれの病気に対して、さらに重い病気になることを予防したり、苦しい症状を緩和したり、あるいは病気による恐怖感を軽減したりする効果が期待できます。

薬は適材適所で使うことで、とても大きな手助けになるものです。人の寿命が劇的に延びたのも、薬の開発の歴史なくしては語れません。

 

例えば、何も症状がないのに高血圧の薬を長く飲み続けることに、違和感を持つ人もいるかもしれませんが、実際には、症状がなくても高血圧を無治療で放っておくと、心不全、脳卒中、心筋梗塞などのリスクが増加することがよく分かっています。それに対し、高血圧を薬で治療することで、それらのリスクを最大50%程度低減できることが知られています(参考文献1)

 

例えば、あなたにいま高血圧の持病があり、これから5年間で脳卒中になるリスクが15%あるとしましょう。あなたの友人には高血圧がなく、脳卒中リスクは5%しかありませんが、あなたには15%もあります。

しかし、この5年間、高血圧治療を続けると、そのリスクを7.5%にまで減らすことができます。さらには、心臓も同時に守れるおまけ付きです。こんなメリットが考えられるというわけです。

 
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