日焼けするかしないか、それが問題だ。


山田:そうですね。まだまだ研究途上ですが、20〜30年前の根拠が現在も通じるのか、ということが言いにくい領域です。この辺りは、もう少し科学的な根拠の積み上げが必要だと思いますね。

碓氷:難しいですね。科学的な根拠が示されることを待ちたい気持ちもありますが、正解がいつ出るかは、わからないですからね。

山田:そうですね。太陽の光が持つ有害性が、時代とともに増しているという指摘もある中で、安全な光を作ろうという研究もあります。太陽光を浴びずとも、人工の光を浴びて、そのメリットだけを享受しようというのです。

 

碓氷:今日は意外と難しい質問をしてしまったのですね。

山田:そうなんです。公園にいるうちの、30分までは日焼けをするのがベスト、というような答えが言えない世界なんです。日焼けにはポジティブもネガティブもある、というところは、ぜひ覚えておいていただくといいのかなと思いますね。

新里:ウォーキングをしているときに、帽子やUVカーディガン、日焼け止めなどの対策をして運動をするのは、デメリットを少なくしていると考えて大丈夫ですか?

山田:はい、大丈夫です。日焼け止めの使用は皮膚のやけどにも有効です。長い目で見れば、皮膚の老化を防ぐという意味でも、効果的だと思います。

新里:太陽の光、少し怖いと思ってしまいました。ただ、天気の良い日に公園を散歩することのメリットも感じているので、対策をしながら続けたいですね。

山田:日焼け対策だけでなく、ぜひ熱中症対策もしていただきたいと思います。脱水気味でウォーキングをされて、熱中症になるということもよくありますので、水分補給などの対策を十分取ってくださいね。

碓氷:屋外の活動や海が好きな方も多くいらっしゃるでしょうし、私も日の光を浴びるのが好きです。悪い面があると聞いても日光にあたることをやめようとは思いません。やはりバランスが大事ですね。

先生の新刊『最高の老後』の第5章に書かれている、「Matters Most to Me(生きがい)」に、すごく関わってくるテーマだな、と思いましたね。


山田:そうですね。「自分にとって何が大切かを知っておく」ということですね。

新里:太陽の光がもたらすメリット・デメリットについても意識しながら、自分にとって大切なことと向き合っていきたい、と思いました。

本日も、ありがとうございました!

<新刊紹介>
『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』

著:米マウントサイナイ医科大学 米国老年医学専門医 山田悠史
定価:本体1800円(税別)
講談社

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一方、残りの8割は少なくとも1つ以上の慢性疾患を持ち、今後、高齢者の6人に1人は認知症になるとも言われています。
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ニューヨーク在住の専門医が、この「5つのM」を、質の高い科学的エビデンスにのみ基づいて徹底解説。病気がなく歩ける「最高の老後」を送るために、若いうちからできることすべてを考えていきます。


写真/shutterstock
構成/新里百合子
 

 


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