かかりつけ医とともに、閉経後も30年以上続く人生について考える

 

病院とは、身体の不調を感じてから行く場所と思ってしまいがちですが、世界を見ると必ずしもそうではないそうです。特にフランスでは女性とかかりつけ医との関係性が深いといいます。

「日本だとかかりつけ医を持つことにあまり馴染みがないかもしれませんが、フランスでは女性が15歳になると全員にかかりつけ医がつきます。フランスの女性は、生理の悩み、出産の時期や欲しい子どもの数、仕事とはどういう兼ね合いでやっていくか、更年期はどう過ごして、どうやって生活に必要な収入を得るかなど、人生全般のことをかかりつけ医と相談しながら決めていきます。かかりつけ医とはまさに人生の伴走者なのです」

信頼できる先生と出会えたら、不調ありきで通院するのではなく、生活習慣の改善や病気の予防、これからのライフプランなども相談しながら、自分の身体を前向きにマネジメントしていきましょう。

 

かかりつけ医と二人三脚で自分の健康をマネジメントしていけば、閉経前後の身体の変化にも対応でき、自分で選んだ人生を健やかに過ごすことができるのです。

 

対馬ルリ子
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。専門は周産期学、女性医療(ウィメンズヘルス)。女性の心と体、社会とのかかわりを総合的にとらえ女性の生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、さまざまな啓発活動や政策提言を行う。『更年期、私のトリセツ』、美容家・吉川千明さんとの共著『「閉経」のホントがわかる本』など著書多数。


取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
写真/shutterstock