自分のためにも、親のためにも理解しておきたいこと


山田:まずは先ほどもお伝えした、「孤立」と「孤独」の違いを理解することが大切です。この2つを混同してしまうと、「周りに人がいるから大丈夫だろう」と考え、孤独を見過ごすことになってしまいます。「孤立」も「孤独」も、それぞれが単独で健康リスクになり得ますから、両方ない状態が理想ですね。

 

編集:1人が好きで1人で暮らし、社会的に人との繋がりがない場合も、家族に囲まれながら孤独感を感じている場合も、それぞれに健康リスクがある、ということですね。

山田:その通りです。繰り返しになりますが、孤独も孤立も、感染症や認知症などの病気のリスクとなります。その点では、アルコールやタバコと同じような健康リスクとしてとらえていただく、ということが大切なのではないでしょうか?

編集:なるほど……。人間関係などは、今日明日ですぐに充実させることはできませんから、日々大切にしたいと思いました。特に40代以降は、親の老いを意識し、支える側となる年代でもあります。孤立と孤独の健康リスクについて知る必要性は、すごく感じました。

山田:そうですね。孤独を減らすためには、まず「孤立している人を減らす」というのが大前提です。それだけでは解決策にはなりませんが、孤立も孤独も密接に繋がっていますので、家族やコミュニティのサポートは、非常に重要ですね。

編集:自分自身、そして家族のためにも、できるだけ豊かな人間関係を築いていきたいな、と思いました。本日もありがとうございました!
 

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『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』

著:米マウントサイナイ医科大学 米国老年医学専門医 山田悠史
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高齢者の2割には病気がないことを知っていますか? 今から備えればまだ間に合うかもしれません。

一方、残りの8割は少なくとも1つ以上の慢性疾患を持ち、今後、高齢者の6人に1人は認知症になるとも言われています。
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構成/新里百合子
 

 


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