幅広い役を演じさせていただけるのは本当に幸せ。舞台上ならどんな役でも出来るから


シルビアさんのプロフィールを拝見すると、その出演作の幅広さに驚く方も多いはず。記憶に新しいのは、昨年放映されたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。藤原兼子として小池栄子さんが演じられた北条政子とマンツーマンで対峙し、火花を散らしたシーンがとても印象的でした。舞台でも三谷幸喜作品への出演が続いています。

――出演される作品選びはどのようにされているのでしょう?

シルビア・グラブさん(以下・シルビア):私は若い頃は、悪く言えば老けて見えて、良く言えば大人っぽかったんです。20代の頃から実年齢よりずっと年上の役をやっていたので、実年齢と大きく離れた役をやっても拒否反応みたいなものはなく、「年上だから」「醜い役だから」やりたくないというのは一切ありませんでした。

 

ようやく自分が若い頃にやっていた年齢に到達したら、今度は若く見られるようになっちゃって、あれ、どうしましょうって。今回の役はかなり年上だから、ちょっと心配しています(笑)。

でもいろんな幅広い役を演じさせていただけるのは本当に幸せだし、様々なハードルを超えさせてもらえる。多くの発見にも繋がっています。役者という仕事は常に勉強で、身体的には若い頃と同じようには動けなくなっていきますが、逆に味が出たり、若い時分には分からなかった感情を出せるようになったりとか……。そういう感情を探していく作業を永遠に続けるのが役者なので、違う役をいただくたびにすごく勉強させてもらっていると思います。

 

――シルビアさんは現在48歳。もう少しで50歳という節目を迎えるタイミングですが、年齢でご自身を縛ってしまうようなことはありませんか?

シルビア:今まで、それはなかったですね。先ほども少し話に出ましたが、やはり身体の衰えを感じるようになったので、今後体力的に大変な役がきたときに身体が持つのかは心配になってきましたが、でも、やはりそこに縛られたくはないですよね。

役者は舞台上ならどんな役でも出来るんです。距離もありますし、メイクでいくらでも変化をつけられますから。でも映像でアップになったら、さすがに20代の役は無理ですからね。