Q3.「腟のレーザー治療」があると聞いたのですが、一体何が変わるのでしょうか? 効果やお値段も気になります。

A.顔と同じです! 血流がよくなり潤いを取り戻し、ふっくらします。それによって尿漏れや腟のゆるみも改善します。

 

お顔のアンチエイジングケアの一環として、レーザー治療や細胞再生医療などの最新医療を取り入れる方は増えていますよね。フェムゾーンのレーザー治療も同じことです。

たとえば、座布団も最初はふかふかですが、使用していると張りがなくなりペチャンコになってしまいます。フェムゾーンも水分量が減ると、痩せて乾燥して硬くなり、腟や外陰の不快症状、尿もれ、頻尿といったトラブルが出てきます。

 

その改善には、全身への女性ホルモン補充療法や、腟剤での局所へのエストロゲン投与、潤滑剤の活用、排尿障害改善薬、テストステロン療法などが有効です。それでも外陰部の痛み・かゆみ、性交痛、尿もれ、頻尿、膀胱炎を繰り返す方、ホルモン剤に抵抗を持つ方、乳がんの治療中の患者さまなど、ホルモン剤が使えない方にはレーザー治療をオススメしています。

性交痛がある方は腟前庭部を中心にレーザーを当て、頻尿・尿もれがある方は尿道口を中心に当てるなど、症状に添った治療を行います。

以下、レーザー治療の種類と費用の目安です。

<フェムゾーンのレーザー治療>

●モナリザタッチ 
フェイスケアで使用されていたフラクショナル炭酸ガスレーザーを局部に照射。腟粘膜の繊維芽細胞が活性化により新生コラーゲンが生成。血流が増加し潤滑も回復。外陰部の黒ずみのホワイトニングに効果あり。

頻度:1ヵ月間隔で照射可能。腟には1~3回程度、外陰部ホワイトニングは1~5回程度が目安。

費用:88,000円〜

●インティマレーザー治療
エルビウムYAGレーザーを腟内にあてることでコラーゲンが新生、粘膜・腟壁の厚みが増え、腟のゆるみや尿失禁などの症状を改善。骨盤底筋トレーニングや手術などで効果が不十分な場合の選択肢。

頻度:症状に合わせて4~8週間間隔で1〜3回程度。1クール治療後は、1、2年に1回、定期的に治療を継続して効果を維持することをおすすめしています。

費用:外陰部ホワイトニング33000円〜、尿失禁110,000円

●ハイフ
出産後などの30〜40代の方向けの、高密度焦点超音波(HIFU)による腟引き締めの施術。メスを使わずに腟筋層や粘膜下層に作用し、筋肉引き締めとコラーゲン造成でゆるみを改善。産後の膣のゆるみに効果的。

頻度:基本的に1回。施術から1年後にもう一度行う場合もありますが、定期的に継続したい場合はモナリザタッチやインティマレーザー治療をおすすめしています。

費用:220,000円

 

関口 由紀(Yuki Sekiguchi) 
女性医療クリニック・LUNAグループ」理事長。人生100歳時代の日本の中高年女性の生涯にわたるヘルスケアを実践する第一人者。女性医療のスペシャリストであり、女性泌尿器科分野の専門医として、特にミドルエイジ以降の女性のフェムゾーンの悩み、セックスの悩みに寄り添う。2022年5月には、女性の性や身体に関するオンラインプラットフォーム「Femzonelab フェムゾーンラボ」をスタート。著書に『セックスにさよならは言わないで:悩みをなくす膣ケアの手引』(径書房)『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』(産業編集センター)など。


取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
イラスト/shutterstock

 

 

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