つらい「はしか」の症状、唯一の予防法は?


山田:まずは高熱が出ます。その他、咳や鼻水、くしゃみや目の症状(目やに、目の充血など)も出てきます。ですが、この時点では、風邪とあまり区別がつきにくいですよね。

「はしか」の場合、こうした症状に引き続き、発疹が出てくるのですが、発疹が出てくる前に、頬の内側に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点のようなものが出ます。この「コプリック斑」は「はしか」独特で、診断的価値が高いものです。私たちが「はしか」と疑われる症状を診断する際にも、頬の内側を見ます。

その「コプリック斑」が出た後に発疹が出てくるのですが、基本的には顔から出て胸や腕、お腹や背中、足……というように、全身に広がっていきます。このように、高熱や発疹が出るなど、かなり辛い病気ですが、通常は発症してから2週間ほどで回復していきます。

ただ、特に小さいお子さんの場合、合併症として脳炎や肺炎を起こしてしまう場合もあるので、注意をしなければいけない感染症ですね。

 

編集:高熱が出たり発疹が出たり……。お子さんの場合、合併症も心配ですね。できればかかりたくない、と思いますが、予防法はどのようなものがありますか? マスクで予防できないほど感染力が強いということですが……。

山田:そうですね。「はしか」の基本の感染経路は空気感染ですが、同じ車両や教室の中に仮に感染者がいれば、マスクをしていたとしても、免疫を持っていなければ、ほぼ100%感染します。

編集:マスクでは防げないとなると、やはり予防は予防接種のみ、ということになりますか?

山田:はい。「はしか」の予防は、予防接種のみと考えていただいてよいと思います。つまり、しっかりと予防接種をする、ということが全てなんですね。

基本的には2回接種が必要で、2回接種が終わっていれば、生涯免疫が続くと言われています。有効性も非常に高く、約95%です。

編集:2回予防接種を受けておけば、ほとんど防げる感染症なのですね。少し安心しました。ただ、自分が小さい頃に予防接種を受けたかどうか、「はしか」に感染したかどうか、うろ覚えなのですよね……。自分の母子手帳も無くしてしまって。そうした場合は、どうすればよいのでしょうか?