働きざかりの人は注意!ストレスや過労、運動不足や生活習慣病が病気に繋がる


ーー障害を持つ前に、脳の病気自体を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?

田中:代表的な病気である「脳卒中」予防についてお話しますね。自覚症状がなく突然おこる脳卒中は、一度起きてしまうと生命の危険や後遺症などのリスクの高い病気です。ストレスや過労、運動不足や生活習慣病との関連が強いため、予防策として、健康的な働き方と食生活、適度な運動を心掛けるとともに、定期的な脳ドックの受診により早期発見につなげることが挙げられます。

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田中:牧田総合病院では人間ドック健診センターにて脳ドック(MRI・MRA・頸動脈超音波検査)も実施しています。その他、地域の中核医療機関として、起きてしまった脳卒中の救急医療(脳卒中センター)、回復期リハビリテーション、外来リハビリテーションまで一貫した診療と、社会復帰に向けた支援を行っています。脳損傷による後遺症である高次脳機能障害を持つと、病院での治療を終え、いざ仕事をしようとした際に異変に気付く場合もあります。

高次脳機能障害外来では、他院で治療を終えたものの、高次脳機能障害が疑われる患者さんに対し、専門外来として脳神経外科医師と就労・社会参加支援コーディネーター(作業療法士)が、病歴の確認・画像検査・心理検査などを通じて、どのような問題がどの程度残存しているのかを判断します。また、状況に応じて精神保健福祉手帳・障害年金等の申請のサポート、リハビリテーション、就労支援、地域の社会資源への紹介等を行っています。

 

取材・文/ヒオカ
撮影/柏原力